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1.  タレンタイム~優しい歌 《ネタバレ》 
これは傑作です。  再見する機会がなくて残念ですが、今でも私的ベスト1と言える作品です。   民族や宗教の違う人たちが心を合わせて暮らしていく難しさ・大切さを、  若い彼らの初々しい恋を軸に優しい眼差しで描き出しています。   監督は51歳という若さで急逝して、こんな素晴らしい作品がもう見れないのかと思うととても残念です。   たくさんのエピソードで民族や宗教や環境の違いを描き、若い二人の交際も宗教が違うからと反対されます。  耳が聞こえないから話せないマヘシュの綺麗で真っ直ぐで純粋な眼差しと表情。 見るだけで、言葉はいらないほどの想いが伝わってきます。  ムルーのあの美しいピアノと歌声はマヘシュへは届きません。  あんなに切なく「あなたに恋をした」と歌っても、メロディーは伝わらない。  でも、ピアノを弾いてるムルーを見つめるマヘシュの眼差しに胸を打たれました。   二人の他にも、出場者に選ばれたマレー系のハフィズという男子生徒のお話も 考えさせられました。  母子で暮らしてきたけど、母は重い病気で入院中。  病院での母との会話、ライバル(と相手が勝手に思ってる)の中華系カホーとの絡みなど、 各々の環境と心情も丁寧に描かれています。   理不尽な叔父さんの死も、いくらでもメッセージを盛り込めるところを 女たちの涙で淡々と描写しています。  全編通して、決して泣かせようとしている演出ではなく、どちらかというと温かいユーモアに満ちているのに、 自分でも知らないうちにずっと泣いていたらしく、終わってからトイレで鏡を見たら目が腫れててビックリしました。  今もすべてが鮮やかに甦るほどの感動作です。
[映画館(字幕)] 10点(2020-07-08 00:33:51)
2.  メランコリック 《ネタバレ》 
アマプラで評価が高いので見てみたら、本当に面白かったです。 お金かけなくても有名な俳優じゃなくても、邦画もやればできるじゃないですか。 主人公を演じた皆川さん、絶妙です。 東大出のプライドはあるけどコミュ障気味なヘタレた感じが上手いです。 自分がかなりヤバイ状況に置かれてるという危機感がないので死亡フラグ立ちまくりなのに、 結構大丈夫だし、最後はまさかの大活躍。  投げやりで適当に生きてた和彦が「人生には、一生これが続けばいいのにと思う瞬間がある。 そのためだけに生きてきたと思える瞬間が。それだけで十分」と思える経験が出来たのは喜ばしい。 その後どうなるかは、また別ですが。 和彦のご両親も良い人たちだし、殺し屋なのに礼儀正しくていい奴の松本も良いキャラでした。 こんなに人が死んで血みどろなのに、鑑賞後の後味が悪くないのも珍しいです。
[インターネット(邦画)] 9点(2021-07-02 01:15:50)(良:2票)
3.  道(1954) 《ネタバレ》 
子供のころ見たときは「石にも役目がある。何かの役に立っている」という言葉だけが印象に残っていました。 今見ると、3人それぞれの心情が丁寧に描かれていて、その気持ちが痛いほど胸に迫ってきます。  ジェルソミーナはちょっと頭が弱いけど、善悪を知り純真。 母親に売られても、自分の役割を理解して恨み言を言ったりしないし、ザンパノに酷い扱いをされても従順に彼を好きになろうとします。 きっと人を憎んだり嫌ったりできないのでしょう。 でも、旅を続けるうちに自分の存在価値に疑問を持つようになります。 彼女の精神的成長でもあるし、頑張っても優しい言葉ひとつかけてくれないザンパノへの歯がゆい思いでもあります。 でも、キジルシの言葉により自分にも価値があると知り、ザンパノには自分が必要なのだと思います。 だから、何度も彼から逃れるチャンスはあったのに離れませんでした。  一見、かき回し役のようなキジルシが、こんなに重要な役とは思いませんでした。 彼がザンパノをしつこくからかうのは、単純にからかうと面白いという他に、ザンパノが羨ましかったのだろうと思います。 同じような境遇なのに、ザンパノは何の不安も悩みも無く刹那的に生きている。 「考えること」すら考えもせず本能で生きているザンパノに、ちょっかいをかけずにいられない心境が伝わってきました。 まして、今はジェルソミーナという伴侶を得ている。 ザンパノは、その存在の有難さすらわかってないけど、ジェルソミーナの気持ちを尊重して彼のもとへ送り届けます。 二人にとって恩人なのに、可哀そうな最期でした。  ザンパノは粗暴で、ちょっとした盗みなら犯罪とも思ってないような倫理観の持ち主。 女性に対しても、人間として尊重するということすら思い浮かばない。 当然、ジェルソミーナの気持ちなどわかろうともせず、最初は金で買った所有物としか思っていません。 ただ、ジェルソミーナと過ごすうちに、自分でも気づかないけど少しづつ細かい心情が芽生え、彼女を置き去りするときに毛布を掛けお金まで握らせる。 そして、後ろめたさを覚えながらも、彼女がどこかで生きていてくれればいいと思っているようでした。  だから、彼女の死を知って初めて、失ったものの大きさを知ります。 打算なしで自分に寄り添ってくれたただ一人の人。 自分を丸ごと愛してくれたただ一人の人。 そんな掛け替えのない存在を失ったことに激しく打ちのめされ、砂浜に倒れこみ身もだえして嗚咽を漏らす。 ザンパノが動物から人間になった瞬間でした。  3人の道にはいくつも分岐点がありました。 それぞれの選択が正しかったかどうかはわからないけど、自分の選んだ道を生きました。 ザンパノの道は、今後険しくなると思われます。  映像も綺麗です。白黒なのにというか、白黒だからこそ、明るい空や繁る草木、サーカスの煌びやかな装飾、暗い海や風になびく洗濯物などの色が想像力を刺激して鮮やかに見えました。 そう思わせる力が画面にありました。  短い時間に、様々な人生が凝縮され、見たときの年齢やどの立場で見るかで、何度も発見のある素晴らしい作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-07-28 12:39:59)(良:1票)
4.  怪物團 《ネタバレ》 
今では絶対に作れない作品。 フリークスたちのインパクトが凄すぎて、よくこんな映画が撮れたものだと驚きました。 いろんな身体的特徴の人たちが出てきますが、皆不足している部分を補う技術を身につけて逞しく生きています。 四肢が欠損してる男性が、口だけでマッチに火をつけて咥えてる煙草に火をつけスパスパ吸うシーンが特に印象的でした。  怪物とは何か。 人の心を言うのなら、間違いなくクレオは怪物。 ハンスをヘラクレスと一緒に嘲笑う顔や、仲間だと言われて激怒する顔の醜いこと。 最後、その醜い心に相応しい姿になります。 有り得ない姿で怖かったです。  フリーダは本物の淑女。 クレオに心を奪われて別れを切り出すハンスに「私の望みはあなたが幸せになることだから」と一言も恨み言を言わずに受け入れます。 そしてラストも、自責の念から引きこもりになったハンスを救います。 クレオたちに復讐する嵐のシーンがおどろおどろしく怖かったので、この光の差し込むラストを見れて良かったです。  怖いシーンもあったけどホラーではなく、ストーリーも平凡ですが、いろいろ考えさせられました。 機会があれば見るべき作品だと思います。
[インターネット(字幕)] 9点(2020-07-07 17:40:42)
5.  アジョシ 《ネタバレ》 
設定はまんま「レオン」なんだけど見所は違います 。  アクション映画として良くできてると思います。 ウォンビンのアクションに痺れて何回も観てます。  私はウォンビンの名前は知ってたけどドラマ見たことなくて、俳優として知ったのは退役復帰作の「母なる証明」でした。  今作は、その面影のまったくない役を見事な身体と役作りで演じてて感嘆しました。  とにかく、「隣のおじさん」が何故こんなに最強なのか、過去の「職業」が明らかになって納得するだけの説得力がウォンビンの身体造りや身のこなし、ほぼスタント無しでやったアクション等にあるわけです。   気持ちいいくらい無敵。残酷。非道。急所しか狙わないし徹底的にやる。  そういうのを、スピーディで躊躇なく遂行していくときの冷徹な顔と、愛しい思いを溢れさせるときの顔のギャップが、また何とも言えず美しかったです。 そこはやはり、美男だからこそというわけでの彼の起用でしょうが。  ぶちのめす相手が、同情の余地のない鬼畜どもなので、無敵になぎ倒していくラストにカタルシスを感じられます。  韓国映画に珍しくハッピーエンドなので鑑賞後の気分も良いです。 私の中では、時々リピする作品の中でもランキング上位の作品です。
[DVD(字幕)] 9点(2015-08-31 23:02:35)
6.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 
名作と誉れ高い作品をやっと観ました。評判どおり本当に良かったです。 何と言ってもCGが綺麗。おもちゃたちの動きやそれぞれの質感を活かした絵の綺麗なこと。 そして、友情と愛情の素晴らしさが十分に描かれたストーリー。 ウッディの仲間を思う友情も、アンディへのおもちゃへ対する愛情。どれも素晴らしかったです。 もう絶体絶命と思った焼却炉のシーン。無言で手をつなぎ合うところ。 アンディが最後おもちゃたちの紹介をして、女の子と一緒に遊ぶところ。 仲間たちといることを選択したウッディが去っていくアンディへ「あばよ、相棒」と言うところ。 どのシーンも思い出すだけで泣けます。 おもちゃたちのキャラづけもしっかりはっきりしてて、本当に面白いです。 苺の匂いの熊野郎・ロッツィの最後まで改心しない卑劣なところ、ムカつくけどいっそ清々しいですね。 一生そのままトラックに貼り付けられてろと思えます。 子供向け映画だと思って観てない友人たちにも薦めまくろうと思います。
[DVD(吹替)] 9点(2015-08-16 22:11:47)
7.  七人の侍 《ネタバレ》 
随分前、テレビで見たのですが、改めて見たら、やっぱり凄く面白かったです。 こういう「仲間集め」から始まるの大好き。  7人のキャラも立ってていいし、黒沢組常連の志村喬は、こういう軍師とかリーダー役がピッタリ。 そして三船敏郎。言い尽くされてるけど、この菊千代というキャラクターがいなかったら、ここまで名作になったかどうか、というくらい重要な役どころを見事に演じてます。  元百姓だからこそわかる百姓の狡さ、哀しさを代弁し、皆をののしりながら励ます。 乱暴者のようで心根が温かいのがわかるから子供たちも懐く。 百姓と浪人たちを結びつける菊千代の存在は大きい。 一人だけ生き残った赤ん坊を抱いて「これは俺だ」と泣くところは、今も思い出すだけで泣けます。いつもおどけてふざけてる菊千代のもう一つの顔が見えるところをちゃんと入れてるところ、さすがです。  CGなんてない時代に、あれだけの迫力ある映像を撮るとは、とこちらも驚き。 大雨の中の合戦。逃げ惑う馬、馬上の野武士、追いかけながら刀や槍を振り回す浪人や百姓。 泥水の中、転げまわり、はいつくばり、逃げて追いかけて、どのシーンも見ごたえあるから逃さず映し出す。 素晴らしかったです。  勝四郎と志乃の初々しいロマンス。志乃の方が積極的なのが面白かった。 最後かもしれないからと娘の顔を見るために探し回る万吉に対して、父親より勝四郎という志乃。 父親って辛いですね。  女房を野武士に攫われた利吉の苦しみ。 慰み者になってた女房が利吉の姿を見て、助けを求めるどころか炎の中に飛び込んでいくところ。 ずっと苦しい顔だった利吉が、最後の田植えのシーンでは吹っ切れたように笑顔で田植え歌を歌っている。  久蔵を尊敬の目で見つめ「あなたは素晴らしい人だ。それがずっと言いたかった」という勝四郎の表情や、その後やれやれという感じで、まんざらでもなさそうに口を緩ませる久蔵。  その他、キリがないくらい、素晴らしいカットが豊富で、207分が全然長く感じなくて少しもダレたり飽きるとこがなかったです。絶対見るべき映画の一つなのは間違いないです。
[DVD(邦画)] 9点(2014-06-08 15:51:04)(良:2票)
8.  悪のクロニクル 《ネタバレ》 
袖の下貰ったりもするけど人望も厚く出世街道まっしぐらの課長が、保身から転落していく様子がリアルに描かれる導入部分。 傷は浅いうちに対処すべきなんだけど、守るものがたくさんある人はそう簡単にはいかない。  でも、意外な展開で誰かが自分を追いつめていることを知り独自に捜査を始める。 このあたりからどんどん面白くなっていって、真犯人らしき人物と過去の事件にたどり着きます。 でも、またそこからも予想外の展開があり、ラストの数十分は目が離せません。 最初は罪がばれない様に罪を重ねていたけど、次第に本来の正義感が戻ってくるのを課長役の人は自然に演じていました。  決着シーンは、もうそれしかないと思わせられる終わり方でした。 真犯人は、殺人鬼だけど、ただただ哀れで悲しい。 元俳優は、大切な人が死ぬつもりなのを知っていたので先に逝ってしまったのですね。 こちらも悲しいです。  ラスト、1年後ではなく1年前で終わります。 この何気ない二人の会話が、結末を知ってからだと大きな意味を持って尚更切なくなりました。 巧い終わり方です。 とても見ごたえがある作品でした。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-07-02 01:03:20)
9.  トレマーズ 《ネタバレ》 
久しぶりに見たけど、やっぱり面白かったです。 怪物は今見ても良くできてて気持ち悪いし、地中を高速で這っていく様子は、当時の映像技術を思うと感歎します。 ケビン・ベーコンは、今も渋い演技派でカッコいいけど、若い頃のこういう陽気なお兄ちゃんキャラも良いです。 偏差値は高くなくても実践に長けて賢い、という感じが良く出ています。  何故こんな化け物が出現したのか、という小難しい考察は無く、人間(一般市民)対化け物で、人間の知恵(と銃火器)の勝利という単純明快なお話なので、何も考えず気楽に見られるのも良いと思います。
[地上波(吹替)] 8点(2021-02-14 02:02:16)
10.  ファイ 悪魔に育てられた少年 《ネタバレ》 
殺人も強盗も何でもする犯罪グループの5人の男を父親として育てられたファイ。 それぞれの得意分野の犯罪スキルを教えられて育った17歳。 ある日を境に、ファイは自分の過酷な運命と直面し、父親たちと戦うことになる。 まずこの設定に惹かれました。  ファイの運命は余りに残酷です。 自分が誘拐された子供だったことを知り、よりによって初めての殺人が実の父親だったなんて。 ソクテがそれを知りながら命じたことや、両親が立ち退かなかった理由が自分を待っていたから、なんて知ったら、そりゃもう大打撃だし復讐もしたくなります。 ファイにとっては、知ってるのに黙ってた他の父親たちも同罪です。  ただ、そうだとしても、15年間それなりに愛情かけて育ててくれた父親たちへの葛藤も描いて欲しかったです。 騙された!酷すぎる!殺す!って展開早いです。  冒頭で、ソクテをアボジ(お父さん)、他の4人はアッパ(バパ)と呼んでることから、ファイにとってソクテは逆らうことのできない絶対的な存在だとわかります。 この緊張した表情、無邪気な子供らしい部分と真実を知ってからの顔つき、アクションすべて、ファイ役のジング君の演技力が光ります。当時15歳。天才です。  ソクテが見ていた怪物とファイが見ていた怪物は、不安と恐怖というのは共通でも、その中身は別物だと思います。  ソクテが見てたのは、自分の中にある汚い部分を知っていて完全に悪に引き込もうとする怪物。 キリスト教の養護院で育っているので、罪を犯せば神様から罰を与えられるという恐怖でもあります。 引いては神への恐れかもしれません。 だから必死で祈ったのに怪物は消えない。神は救ってくれなかった。 もっと汚れて自分が怪物になることで怪物を消したと思っていますが、実際はソクテは怪物に飲み込まれてしまったのです。  ヒョンテクへの執拗な残酷な仕打ちも、彼が神の化身のような人だからです。 どんなに酷いことをしても彼は信仰により自分を赦しました。 ソクテは、いっそ罵倒されたほうが救われたような気がします。  ファイが見る怪物を自分と同じ類のものだと勘違いしているので、ファイは自分の側の人間だ、怪物になることがファイを救うのだと本気で思っていたのでしょう。 そして、そうなった時完全にファイは自分の物となると。 恐ろしいほどの執着です。 ヨンジュへの態度からも、ソクテは支配と暴力でしか愛情表現ができないのだと思います。 キム・ユンスクが圧巻の存在感です。 感情の読み取れない表情や冷酷そのものに見える目つきで、誰も逆らえないカリスマ性に説得力がありました。  ファイが見る怪物は、幼い頃は漠然とした不安や恐怖の象徴だったかもしれません。 長じては、悪や罪など、自分の中の善や良心を消し去ろうとする恐ろしい物。 それが具体化してソクテとなったとき、ファイは怪物と戦う決意を持ち怪物を消し去りました。 だから原題の「ファイ・怪物を飲み込んだ子」の通りなのですが、私は邦題を見てこの作品を見る気になったので、タイトルは変えて良かったと思います。  エンドロールのファイの絵は、父親たちとの穏やかな思い出や明るい願望に満ちていて切ないです。 ギテの絵を見たときは涙が出ました。 ファイを溺愛していたギテ。最後まで本当のパパみたいだったのに。  ファイは、この先どんな風に生きていくのか。 できれば、ジンソンが用意してくれたパスポートを使って大学へ行き、画家になってほしいと思いますが、そんな普通の暮らしが可能かどうか・・・。  エディプスコンプレックスと、人間の恐怖に対する神からの命題。 残酷だけど、とても意味深い作品でした。 見て良かったです。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-08-08 17:40:24)
11.  砂上の法廷 《ネタバレ》 
とても面白かったです。 この作品の面白さは誰が犯人かではなく、皆がついてる嘘が後にどう影響してくるのかを考えることだと思います。 証人は皆嘘をつく。証人だけでなく、マイクはじめ取り巻く者も皆嘘をついている。 たくさんの伏線が散りばめられていたことを、真犯人がわかった後も反芻して楽しめました。  ほぼ法廷内でのシーンだし、弁護士と検察側が派手に論争するわけでもないので、前半は淡々と地味に物語は進んでいきます。 実際はどうか知りませんが、陪審員を味方につける為のノウハウや法廷あるあるが興味深く見れました。  マイクはまだ高3なのに、天才ですね。 真犯人に気づいてからも、母を守る為に作戦を練っていたのでしょう。 証人たちの少しずつの嘘が自分に有利に働くと判断し、ラムゼイの戦略では絶対に勝てないと思い、母の証言により自分で証言することを決意したと思います。 思い返すと、何も喋らないけど、裁判中のマイクの視線や口元、表情が、後々の証言につながっているのが上手いと思いました。  そしてラスト。一番の嘘つきは誰だったのか。 深読みすると怖いです。 気が抜けたように法廷に一人座り続けるラムゼイの姿で終わるのも良かったです。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-08-04 20:43:01)
12.  彼らが本気で編むときは、 《ネタバレ》 
まず、冒頭の部屋の中に下がった洗濯物で、だらしない雰囲気が出ています。 ブラジャーの干し方、下着とストッキングを一緒に洗ってるみたいなところ。 そして、それを取り込んでたたみ、コンビニおにぎりを食べる少女。 保護者としての「母」の不在を感じさせる巧い導入だと思います。  母性とは?普通とは?子どもの幸せとは? ここには、いろいろなタイプの母親が出てきて見ている人に投げかけます。 産んだだけで母親になれるのか。 心が母性に溢れてるのに、トランスジェンダーだからといって母親になれないのか。  子どもをありのまま受け入れ守るリンコの母親と、反対に自分の価値観以外認めず子供を追いつめる同級生の母親。 成長したリンコを見れば、揺るぎない拠り所さえあれば強く生きていけると思われます。 同級生の人生は、この先多難だろうけど、きっとトモやリンコが力になってくれると信じたいです。  生田斗真のリンコは、本当に絶妙な人物像を演じてました。 綺麗だけど、パっと見て女性ではないなとわかる人。 お化粧してワンピース着たら女性にしか見えないような人では、この物語は成立しません。 服装センスも微妙にダサくて上手いと思いました。 優しい心根が伝わってくるような話し方や佇まいが素敵なので、ちょっと作り過ぎで鼻につくところもありますが、余り気にならずに見れました。  編み物が重要なアイテムになってるのも良かったです。 リンコにとっては母からの愛情の象徴であり、トモの母ヒロミにとっては忌まわしい母の呪い。 登場人物一人一人の、環境や背景が想像できるようなセリフや人物造形が見事だなと思いながら見ていました。  演技が上手な役者ばかりで安定感がありましたが、一番良かったのはトモ役の柿原りんかちゃんです。 大人びて見えるけど、諦めてたくさん我慢しているから。 ボキャブラリーが少ないから行動でしか感情を表せないところ。 感情がついていかなくて、ただ相手をじっと見つめるだけの表情等々。 すべてがリアルで演技と思えないほどでした。 とても良かったです。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-08-01 12:43:19)
13.  ロング・キス・グッドナイト 《ネタバレ》 
何度見ても面白いです。 記憶喪失の元CIAお抱えの殺し屋チャーリーと良き母親としてのサマンサを、ジーナ・デイビスが魅力的に演じています。  記憶喪失になる前となった後では、まるで正反対のような人格ですが、きっと素の姿がサマンサなのでしょう。 殺し屋の時には封じ込められていた優しい人柄が出たのだと思います。 記憶は無くしても体が覚えていて、危険が迫った時に条件反射で身体が動きます。 最初は逃げまどいながら、どんどん強くなっていって敵の首を捻って殺したときの、夫の唖然とした顔に笑ってしまいます。  サマンサが昔の自分探しの旅に出る相棒が、探偵のミッチで、ジーナ・デイビスとサミュエル・L・ジャクソンのバディ物としても楽しめます。 調子はいいけど戦闘力ほぼゼロのミッチが、度々ピンチを救い最後まで活躍します。 何度も死亡フラグが立つけど、死なないところも気に入っています。  深いことを考えなくてもアクション映画として安心して見れるし、結果オーライなのでスッキリしたいときに見ると良い作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2020-08-01 12:30:57)
14.  スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 《ネタバレ》 
成長したアナキン役のヘイデン・クリステンセンとナタリーの美しい二人の恋愛物語がメインのような今作。 ナブーの自然の美しさとともに眼福の作品。 それでいて、後の旧三部作につながる伏線がたくさんあって、 それらがすべて次回作の悲劇につながると思うと、二人の幸せそうな笑顔も美しい自然も、切なさが増すばかりでした。  それにしても、少年時代のアナキンは、もっと利発で思慮深い子だったような気がするけど、 成長したアナキンは自信過剰で聞き分けのない反抗期のような青年になってたのは何故なのでしょうか。 そういう精神面の危なさや繊細さをヘイデンはしっかり演じてたと思います。 ラジー賞取ったらしいけど、そこまで下手とは思わなかったです。  感情を抑えられないので、後々ダークサイドに落ちるのだけど、10年もジェダイの修行をしてて、 武術はともかく精神面の鍛錬はできなかったのか疑問。 これは、次回作でオビワンが自ら言うように、導き方を間違ったということですね。 やはり師匠としては力不足だったからとしか言えません。 クワイガンジンのパダワンだったら、精神面から鍛えたと思います。 この辺の流れは上手いですね。 EP1でクワイガンジンが死んでしまったのも、ダースベイダー誕生の布石だったんだと思いました。  今作での見どころは、ヨーダのライトセイバーでのバトルが見られたところ。 フルCGらしいけど、今見ても良くできてるし、普段杖ついてるのに、戦いの時めちゃくちゃ早い動きで強い。 思わず「カッコイイ」と声が出ました。 リピート率が低かった今作ですが、久しぶりに見たらやっぱり面白かったです。
[DVD(字幕)] 8点(2020-07-07 17:09:31)
15.  息もできない 《ネタバレ》 
公開当時、見終わった後、普段なら絶対買わないノベライズ本を買って帰りました。何か手元に残したくて。  その後何度か見返してますが、何度見ても胸が詰まります。 サンフンの暴力でしかコミュニケーションが取れない哀れさ。 ヨニの辛い環境でも無くさない自尊心と母性の健気さ。 どちらも、やり場の無い気持ちをもてあまして自分がつぶれそうになってる。  言葉で表現できたり人に伝えられたりできれば、少しは気持ちが軽くなるけど、 二人ともそれができません。 サンフンは言葉を持たず、ヨニは高校生には抱えてるものが大きすぎて、できません。  サンフンの末路は予想できるものだし、ラストにも救いがありません でも、生育環境や生活環境が、いかに子供に大きな影響を与えるかとか、暴力の連鎖や因果応報とか、この作品はそんな教訓めいたことを言ってません。 何も分からせようとか教えようとか、そんな意図が無く、あるがままをぶつけてくるから見てて苦しくなります。  ただ見る者に何かを感じさせ、振り返ったり決意させたりする。 救いが無いからこそ、何とかしないとけいないと思わせてくれる作品だと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2019-02-19 19:25:36)(良:2票)
16.  ピンポン 《ネタバレ》 
原作未読で前知識も無くて見ましたが面白かったです。 ペコは窪塚氏しか考えられないくらいハマリ役だと思います。 天真爛漫でピュアな時も、挫折を味わってひねくれてからも可愛げがあります。 変な喋り方もヘアスタイルもモノにしてました。  スマイルのARATAも、こんなイケメンだったの?と思ったほどクールでカッコよかったです。 アクマの人もドラゴンの人も、誰一人高校生に見えないけど、皆キャラに合ってて良かったと思います。  ストーリーは良くあるスポコン物ですが、登場人物が皆振り切って演じてるので見てて楽しかったです。
[インターネット(邦画)] 8点(2018-06-10 13:27:53)
17.  ツィゴイネルワイゼン 《ネタバレ》 
何の予備知識なく鑑賞。 最初は、ボーっと見るともなく見る感じでしたが、 大谷直子が半裸で指パッチンして振り向いたあたりから覚醒。  何の話か、よりも、前後関連性無さそうに挿入される画の美しさに釘付けになりました。 中砂夫婦は和服で住居は日本家屋。 青池はビシっと決めたスーツ姿で洋館に住んでいる。 妻の周子はいつも昔の「モダンガール」のようなファッションで、和服の時も明るく斬新なデザインで 園や小稲の地味な着物と対照的。 洋館のインテリアや小物、周子のファッションは見てて楽しかったです。  生の証のように食事や情事のシーンがあり、その他は死を思わせる暗い画面と不安を煽るような雑音。 2軒の間にある切通しは、いかにもこの世とあの世の通り道のよう。 悲哀と滑稽さを見せ、度々挿入される盲目の門付達の話。 三角関係という不安定な人間関係。  次第に、誰がいつ死んだのかは曖昧になっていきます。 それは、ずっと死の床にある妙子だけが知っているような気がしていました。 もしかしたら、すべて妙子の夢なのではないかと。  最後は、実は死んでいるのは青池のほうだと思わせますが、この点については、もっと昔に、 できれば公開当事に見ていれば衝撃を受けただろうと思えて残念です。 この手のラストの映画やドラマをたくさん見てしまったせいです。 こちらの作品の方が早いのに。  とはいえ、いつもは物語の整合性や構成を見てしまうけど、この作品に限っては、 それよりも感じたまま受け取っておいて良いと思えたのは自分でも不思議でした。 録画すれば良かった。 もう一度見たいと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-06-25 22:30:00)
18.  予告犯 《ネタバレ》 
かなり面白かったです。 シンブンシは現代の必殺仕置き人かと思いきや、対象が小物でやることがしょぼい。 では、その真の目的は?というと、途中でわかるので、それで引っ張るミステリーでもない。 結局、泣かせるドラマでした。でも、それが悪いのではなく、とても良いドラマだと思います。 ヒョロが無邪気で純真だから、ゲイツたちに凄く共感できます。 ゲイツに「父親に会ったらどうしたい?」と聞かれてのヒョロの答え「お父ちゃんて言いたい」 「そんだけ?何で捨てたんだってぶん殴ってやればいいだろう」 「うーん、会って、お父ちゃんて言いたい」と飛び切りの笑顔。 ここ思い出すだけで涙が出ます。 配役は皆適役で良かったです。 ずっとニートで多分両親が亡くなって働かざるを得なくなったノビタ役の岳君、毎度芸達者。 関西弁で気のいい兄貴風のカンサイ、三浦良平。ピッタリです。 なんとクレジット、大トリだった荒川良々。メタボ役なのでお腹に綿巻いて小太りにしてたんですね。 ゲイツ役の生田斗真は、カッコ悪い格好しててもカッコ良かったです。 最後については、ゲイツには私も吉野の口調で「カッコつけてんじゃないわよ」と言いたい。 生きていればいいこともある、と言いたいです。 最後のメタボの涙にやられたので本編は7点だけど、この最後のシーンで1点追加です。
[映画館(邦画)] 8点(2015-08-16 22:44:12)
19.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 《ネタバレ》 
ただただ、トム・クルーズという俳優に感嘆。 53歳で、あのアクション。凄い身体能力。 今回のヒロインのイルサ役の人も見事なアクションを披露してて、あちらの俳優の役作りは凄いです。 MIは1しか観てなかったです。スパイ大作戦は、チームワークやメンバーのキャラが好きだったのに、MIになったらトムの独り舞台になってたので興味が薄れました。 でも、今回とても評判がいいので観たら確かに良かったです。 アクションシーンはもちろん、ちゃんとチームワークで乗り切る話になってたし、悪役もキャラが立ってました。 顔がマジで怖い冷酷無比な感じが良く出てる人でした。 これから、前作も見てみようと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2015-08-16 22:07:13)
20.  イコライザー 《ネタバレ》 
年を取ってもやっぱりデンゼル・ワシントンはかっこいいです。 こういう王道の、優しくて穏やかで知的だけど、実はめちゃ強くて悪は容赦なく叩きのめす、という役がはまってます。 そして、喜怒哀楽を雄弁に物語ることができる瞳。 目の動きによって、敵をやっつける時一瞬で状況把握する場面も良いのですが、 テリーに「途方に暮れた目をしている」と言われたときの、深い憂いをたたえた黒い瞳。 こんなに豊かに目だけで表現できるのがデンゼルの素晴らしさだと思います。 ストーリーは単純ですが、前半、ホームセンターの同僚に警備員になるための特訓をしてあげたことが、 後半助けになることなどの小ネタなども入ってるところも良かったです。 ロバートは、穏やかな余生を送るはずだったけど、今後は必殺仕置人になるんでしょうか。 ともかく面白かったです。
[DVD(字幕)] 8点(2015-05-04 11:40:21)
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