1. マッドマックス:フュリオサ
《ネタバレ》 フュリオサの過去!?…きっと大変だったのだろう。 前作怒りのデスロードにて片腕のドライバーフュリオサの過去を追う物語が辛くないわけがない。 しかしマッドマックスなんだから気前の良い派手なチェイスシーンも見られる、でも気が乗らない。 そんな自分を奮い立たせIMAXで鑑賞しましたが、壮絶なドラマに圧倒されました、前作とは違う残酷な世界は圧巻。 そして次から次に辛く悲しい展開と恐ろしく暴力的な仕打ちにドキドキしました。これならイモータン・ジョーの方がマシやん!(正直ウォーボーイズが現れた時すごいホッとした) 見どころはやはり中盤のトラックチェイス。特にバイクが飛ぶシーンは圧巻でイカす! そして類を見ない個性的なビジュアルがガツンと出てくるのも楽しく、漫画的なキャラクターが楽しかったですね。全身文字だらけの賢者は最高ですし、まるでもう一人のマックスのようなジャックもイカしてました。 クリヘムもイカれっぷりとどこか足りない感じが非常に良く、なんだかんだイモータンのカリスマは凄かったんだなと再確認しましたね。それにこのマッドマックスの世界観の深掘り感も好きでした。ここオーストラリアだったんか。 そんなこんなで興奮はしつつも、どこまでも悲しみと憎しみが続くフュリオサの物語はスカッとなんかせず、どこか重たく残る何かを僕に残して終わりました。面白かった…。 [映画館(字幕)] 7点(2024-07-03 17:25:41) |
2. シティーハンター(2024)
《ネタバレ》 エンジェルハートの実写ドラマはありましたが、 意外と邦画という形で実写シティーハンターってやっていなかったんですね。 そんな本作の見どころはやはり驚きの歌舞伎町ロケ。トー横だろうとゴジラの見えるあの通りだろうと撮影現場にしてしまう気合の入り方にはびっくり。さらにエキストラも多いのでNetflixの資本力をこれでもかと見せつけられますなんてリッチな映画なんだ。 そして鈴木亮平演じる冴羽獠もシリアスはもちろん、ギャグもしっかり演じられておりそのギャップが楽しめました。また声もギャグの時はかなり神谷明に近い声が出ているので驚きましたね。この気合の入り方は実写宇宙戦艦ヤマトの柳葉敏郎以来です。 それにモッコリショーの時の彼の肉体のキレっぷりが素晴らしく見惚れちゃいますね。 話の展開などは敵は影で残酷に人を操るフィクサーというお決まりの感じなのでそこまで面白くないのと、ラストの敵ボスとのやりとりあたりはちょっとくどかったですね。 その代わりアクションシーンもしっかりしているし、ガンアクションに接近戦と見どころたっぷりに見せてくれました。 思えば最近アニメやらでシティーハンターが取り上げられるのは、もしかしたら和製ジョン・ウィック的なキャラクターを作りたいのかもしれませんね。 そんなわけでこれは次回作にも期待したい一本です。次はもっと派手なアクションを期待しています。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-05-11 22:09:05)(良:1票) |
3. ゴジラ×コング 新たなる帝国
《ネタバレ》 こういうのが見たかったんだよ!ああ脳が溶ける! 前作でもうひと段落ついたというのに、さらに何を続ける必要があるんだという感じですが、出てしまった新しいゴジラとコングの戦い。といっても今回の主役は我らがコングさん。故郷を見つけたけれど、孤独と虫歯に悩まされる毎日とはまぁ悠長な。 そんなゆる〜い抜歯から始まってる時点で「あ、この映画ヤバいな」とは思いましたが、その後次々と出てくるアホみたいな絵に爆笑。そこまでしろとは言ってない! 好きなシーンはやはりゴリラ軍団を引き連れスカーキングがシーモに乗って進軍するシーン。いや、こんなものが超予算で出来上がるなんてなんて良い時代なのでしょうか。あとパワーアーム装着シーンも燃えますね。モナークのテクノロジーやばすぎだろ! あとゴジラの尻尾を担ぐコングさんも最高でしたね。 しかしまぁゴジラはというと、今回は喧嘩仲間というポジションなので出番が少ないのがちょっと寂しいですが、なんだかんだ一緒に戦ってくれるので嬉しいですし、コロッセオで丸くなって寝るシーンは最高に可愛いですね。猫か。 そんなこんなで最後はシーモをとチビゴリラを引き連れて新たなる帝国の覇者の凱旋で幕を閉じるというキングオブゴリラーズな映画でした。もう終始笑顔で笑って、最後は涙が出ていました。大変満足です。 [映画館(吹替)] 8点(2024-05-02 22:42:40) |
4. オッペンハイマー
《ネタバレ》 ついに来たオッペンハイマー。日本でのIMAX上映はキツいかと思われていた分なんとか上映されてよかったです。 個人的な話ですが初めて観る映画に行く前はいつも気分がダルくなってしまうのですが(観終わったら満足してる)、 本作でのそのダルさはもう憂鬱に変わって見る前のテンションとしては最悪でした。貴重な休日を削って3時間も原爆作った男の映画を観るのかと。しかしノーランの映画はIMAXで観なきゃいけないという強迫観念、そしてノーランの映画は見逃してはならぬという強迫観念のもと映画館に出向いたわけですが、結果として非常に良い体験でした。 ノーランの時間差攻撃も予習もあって比較的わかりやすく、絵的にも挟まる原子(?)のイメージなどで飽きがこないカッコ良い構成、そして映画館を覆い尽くす音の力でグイグイと話に引っ張られましたし、オッピー氏のなんだかんだクズなところと、危険なくらい無邪気なところ、そして天才なところの差が激しく観ていて楽しかったですね。原爆投下の直接的表現はありませんが、あのどんちゃん騒ぎが狂気的になっていくシーンはまさに地獄のようでしたし(劇場の音響だとめちゃくちゃ怖かった)、映写室での奴の顔を見ればどれだけ最悪で罪深い行為をしたか嫌でもわかります。 そして役者の面々も良い、キリアン・マーフィーも良かったですが、それよりも奥さん役のエミリー・ブラントのブチギレっぷりが最高でしたし、ロバート・ダウニーJrの温厚で無害そうなストローズおじちゃんがどんどん復讐の修羅に豹変していく具合も凄まじくて最高でした。あとマット・デイモンもパンフレットを見てようやく気づくくらいの誰やねん感で素晴らしかったです。他の登場人物も多いながらも皆個性的で見分けがつくのもよかったですね。個人的にはオッピーの友人で計画に参加しなかったラビが好きです。 そんなわけで3時間オッピーの「いや、お前さ」と言いたくなる、正直救いようのない話は飽きずに観ることができました。 話としては地味ですし、後味は正直良くないですし、日本人的にもアレな話なのですが、ノーラン映画の中では個人的には結構好きな方でしたね。 [映画館(字幕)] 7点(2024-04-27 10:30:38) |
5. ARGYLLE/アーガイル
《ネタバレ》 自分の作った物語が本当に起こった出来事!? そんなスパイモノと女性作家の冒険モノが合体したのはマシュー・ボーンの新作。 当初はロマンシングストーン的なものかと思ったら、中盤からはまさかの展開。 非現実的だったヘンリー・カヴィル演じるアーガイルが自分自身だっというまさかの展開が面白すぎました。 アクションシーンはキングスマンよりはマイルドだけどその分、ケレンにさらに振った楽しいく、相変わらずのマシュー・ボーンなキレた演出が楽しいです。特にスケートシーンは笑ってしまいました。そりゃアンタはアーガイルだわ! にしてもこの映画の猫アルフィーですが、どうやら監督の飼い猫らしく、自分の猫のために撮ったんじゃ無いかというくらい猫の見せ場が多いのも猫好きにとっては嬉しいところ。そんなこんなで究極の親バカ映画とも言える映画でした。 [映画館(字幕)] 7点(2024-03-07 01:01:29) |
6. ネイビーシールズ ローグ・ネイション
《ネタバレ》 評判がとても良いので視聴。ただの囚人を送るだけの仕事がこんなことになろうとは…。 ワンカットで繰り広げられるアクションとしては終始シリアスにしかしアツいスコットのバトルに目が離せません。仲間がいたらいたで良いけど、一人でも全然めちゃくちゃ強いですねこの人。 またカメラの動き方も自然でスコットサイドだけではなく敵サイドにもスムーズに映したりと違和感が全くない。 しかも敵はもうとんでもなく悪い奴として描いているのでこちらも両手をあげてスコットを応援できるのもよかったですね。あんなやつに騙されて自爆した人は気の毒です。(あのシーンの地獄感はやばかったですね) さらに登場人物もどれも個性があってそこも楽しかったですね、死んじゃうのが勿体無いくらいです。 そんなわけで安っぽいパッケージと安っぽい邦題の代わりに十二分にアクション成分を摂取できるとても良い作品でした。 次回作は映画館で観たいな…。 [インターネット(吹替)] 7点(2024-01-25 09:27:37) |
7. ゴジラ-1.0
《ネタバレ》 山崎貴。あのスペースバトルシップのイメージが先行する監督でしたがゴジラなんだから見るしかない。 個人的にはドラマシーンの感情説明過多でわかりやすい演技に終始ノレませんでした。おかげで「早くゴジラさん来い…もうここにいる奴ら全員叩き潰せ…!」とさえ思ってしまいました。そんなドラマシーンの代わりにゴジラさんは非常に活躍しており、大暴れっぷりを発揮。人間を潰し、食っては投げ飛ばし、戦艦は壊すし、街はめちゃくちゃにするしで大活躍でしたね。しかしゴジラの強さ的には怖そうな割に水圧と震電の爆弾を食らった程度で爆散してしまうので今思えば、「実はあのゴジラさん弱いのでは…」と思ってしまいました。そうじゃないと平成テクノロジーの結晶であるスーパーXやMOGERAたちの立場がありません。(最初からない)でもラストのバトルシーンでは可愛らしい浮き輪姿も披露してくれたので満足です。 そんな具合で最新作は苦しいドラマパートと楽しいゴジラパートのアンバランスさが目立つ一本でした。 [映画館(邦画)] 5点(2023-11-12 23:16:10)(笑:1票) (良:1票) |
8. シン・仮面ライダー
《ネタバレ》 本郷猛は仮面ライダーになった!さぁ戦えショッカーと! 僕は完璧な平成ライダーから入った人間で本郷猛のことはあの命は尊いと説く藤岡本郷の映画しか見ていないのですが、こちらはだいぶ荒んだ映画になっていますね。 なにやら悪いことをしているショッカーに対して連続でバトルを仕掛けるのは面白いですが、何故ショッカーとここまで戦わなければいけないのかがよくわからないのがちょっと残念なところ。ショッカーの悪事に一般人が巻き込まれ「くそ〜ショッカー許せねえぜ!」とこっちも怒り、仮面ライダーの活躍に「頑張れライダー!やっちまえ!」と拳を上げて応援する作品かと思ったら本作はそんな作品ではなく、ショッカー内の内輪揉めを終始見せられて困惑してしまいました。 それでいて連戦となるので心の整理がつかないまま次から次へとオーグメントたちを倒していくので、なかなかついていくのが大変で、これは映画にするよりテレビ番組にした方がおもしろかったような…と思ってしまいましたね。 あとビデオレターのシーンはさすがにもうちょっとタイトに出来ませんでしたかね…。 ちなみに個人的に好きなバトルは蜂オーグのゲームっぽいバトル。あそこは凄いかっこいい! あとショッカーライダーたちのとの死闘も同じ仮面のライダー同士が戦う嫌な感じが出ていて非常に良かったです。 それと一文字隼人は良いですね!本郷より気持ちの良い兄ちゃんキャラですし、一番感情が入ってくるキャラでした。 そんなわけで庵野秀明シリーズですが、この先一体どうなってしまうのかわかりませんが、個人的には今回はちょっと微妙な作品になってしまいました。 [映画館(邦画)] 5点(2023-04-09 13:33:42) |
9. フリー・ガイ
《ネタバレ》 グランドセフトオートにウォッチドッグス、ファークライにサイバーパンク2077。 オープンワールドゲームは日々グラフィックが進化すると共に画面の向こうの人々もだいぶ人間らしい顔つきになってきた。 そうするとやっぱりどんなことをしていい世界でも、一般人を巻き込むのはなにかとても悪いことをした気分になる。 最近はやたらゲームの中でも車を運転するときは車線は守るし、歩道は走らないし、信号もなるべく守りたいと思っている(おい)。 まぁそんな事を思う人間がクリエイターの中にもいて、ついにオープンワールドゲームを題材とするゲームが出来てしまった。 オンラインゲームが舞台の作品は数あれどグランドセフトオートをはじめとしたあのゲーム世界を舞台にしたゲームは見た事ない。 しかも主人公はプレイヤーではなくモブキャラ。我々プレイヤーにとっては背景にすぎないただの一般人。 そんな彼が恋に落ちた。プレイヤーに。 彼らモブキャラにも人生があるなんてシェンムーみたいだが、違うのは彼らの中で「変化」が起こってきた事。 思いのほか本作は近い将来起こり得るAIを題材にしたSF映画だったのね。 当初はプレイヤーたちの傍若無人で派手な爆発とリアリティを無視したアクションに笑い、そのシュールな世界観にワクワクしたけれど、途中からはガイのあまりにも一途すぎる恋がだんだん切なく感じてきて涙を誘う。ライアン・レイノルズにやらせると上手いねホント!そしてそれを阻止しようとする悪徳社長は我らがタイカ・ワイティティ!あんたは出るだけで面白すぎるから卑怯!リアクションがいちいちデカいのがムカつくぞ! そしてラストバトルもポータルガンにグラビティガン、キャプテンの盾にハルクの腕、ライトセーバーとパロディ祭りで面白かったです(クリス・エヴァンス登場にも笑った) 最後の別れは想像以上に切なく、そして泣けるセリフ「僕は君へのラブレター…。」まさかここで泣かせにくるとはフリーガイ!!そんな映画だと思ってなかったからびっくりだよ! そんなこんなで楽しく、最後には涙をボロボロ流しながら見てしまいました。すげー映画だぜ! [インターネット(吹替)] 8点(2023-04-09 13:20:17) |
10. エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
《ネタバレ》 あらすじを見ただけで気が遠くなるような映画がアカデミー賞をたくさん取った。エブリシングエブリウエア...タイトルも気が遠くなるように覚えにくい。しかし主演女優賞を取ったのは我らが007トゥモローネバーダイで大活躍だったミッシェル・ヨー!助演男優賞を取ったキー・ホイ・クァンは...え?!グーニーズのデータ!?あの小学生男子なら誰しも憧れる発明BOYポジションにいたアイツが!?み、観に行くしかねぇ!!! そんな本作はマジでめちゃくちゃ。退屈な序盤からどんどん話はおかしな世界に踏み込んでいく。我々の知っている常識なんてものは一つも通用しないカオス映画だ。とりあえず変なことしたら他のマルチバースの自分自身の人生を経験して良い能力貰えるんだよ!知らねぇけどさ!さぁ戦え選ばれしものよ! そして敵はこの世の秩序の破壊者という最近のJRPGのラスボスばりに面倒くさい...自分の娘!テンションが上がるほど意味不明で勢い任せで楽しいくて面白いアクションとカンフーが笑えるしワクワクするぞ。絵の作り込みが凄いから次の瞬間なにを見せてくれるかが楽しみすぎるんだよね。雪崩のように押し寄せるギラギラした映像の洪水が最高だ。この世の理は無視してくれ! しかしその根底のストーリーは人を愛するという非常にわかりやすくシンプルでとてつもなく泣けるものに仕上がっている。そこがまたニクい! こんな単純なことをめちゃくちゃ面白い映像とはちゃめちゃなお話にして僕らに伝えてくれたのだ。お父さんがどんな時でも世界でも優しいのが泣けるじゃんよ! そんなこんなでドキドキして笑って泣いて驚いてスッキリしちゃう素晴らしい映画でした。映画館で見てよかったぜ! [映画館(字幕)] 7点(2023-03-20 00:33:30)(良:1票) |
11. 大怪獣のあとしまつ
《ネタバレ》 誰しもが思う大怪獣を倒した後どうするのか。そんな疑問を映画にしてみました。 やっぱり倒すよりも後片付けの方が絶対に時間はかかる。そこの部分をとりあげるのはいいし、映画にするのはいいけれど、 それを作るにしても人選というものがある。なぜそれまで半径3kmのスケールと最大7人くらいの人間関係のヘンテコ映画しか描いてこなかった三木聡にこんな大スケールのお話を任せたのかはわからない。それこそこの映画の最大の謎だ。 そして展開される話はシン・ゴジラ後にあるプロフェッショナルな人々の真面目なお話に見せかけた総理と大臣で織りなすめちゃくちゃな計画と失敗と責任の押し付け合い。ウルトラマンのスカイドン回を思わせる作戦と失敗の数々に驚くぞ。 それがまぁ岩松了、ふせえりが大臣をやっているところで気づくのです「あ、いつもの三木聡映画だ。」と。 この三木聡映画ほぼ皆勤賞のおっさんとおばさんを使う時点でこの映画が真面目に作られているわけがなく、出てくる出てくる相変わらずのしょーもない下品な小ネタの数々。しかも今回はちょっと前にあった政治ネタを使ったりしちゃってスベり気味だ。 というかこの人のネタはやはり場末の怪しい下町でやったほうが似合っていて政治家とかにやらせるべきじゃないんだよな…。 本作の見どころはやはり役者の数々。菊地凛子にオダギリジョー、二階堂ふみ…というかコレも三木聡映画の同窓会状態。こんなにオールスターにするなら松尾スズキも入れて欲しかったな・・・。 ちなみに特撮とかCGとかも頑張っているけれど見どころがそこになりもない分、なんともかんとも。 というわけで中盤の作戦はどれもグダグダで、オチは「最初からそうしろよ!」というコチラがツッコミを入れなきゃいけないぶん投げで終わり方でなんとも言えない気分に。しかもやってることが円谷で東映がやることじゃないじゃん! まぁ三木聡映画とわかっていても、スケールの大きさと三木聡映画との食い合わせは非常に悪いということを一応怪獣というジャンル映画で証明してしまった本作。知らずに見に行ってしまった人が気の毒としか思えない映画になっていました。三木聡映画が好きな僕でも今回は正直残念な映画ですね。 [インターネット(邦画)] 5点(2023-01-08 16:21:43) |
12. トップガン マーヴェリック
《ネタバレ》 時は過ぎた。相変わらずアイツは無茶ばかりしている。 そんな時やって来た旧友から与えられた最後のチャンス。それは相棒の息子とやり直す機会。 もう予告を見た瞬間「絶対IMAXで観るしかねぇ!」と確信する。もう話なんてどうでもいい!これは映像を観るためだけの映画!これはアトラクションなんだ!!!まぁトップガンは見ているけど、実は全く覚えていない確か相棒が死んでた。そんだけだ。そんな印象でお話には一切期待していなかったんだ。 しかし改めてトップガンを見直して挑んだ本作。初っ端からデンジャーゾーンでお迎えと最高の幕開け。そして確かに映像、音楽共に最高だ。そしてお話は…ボロボロ涙を流しながら見ていた。 マーベリックとアイスの変わらぬ友情!あんな無茶な野郎を信じ、自分の身が弱っていく中でも心配してくれているアイスマンはなんて良い奴なんだ! そしてグースの息子ルースターはまるで生写し。マーベリックの心の傷をグリグリと抉っていきます。アイスマンのくれたチャンス!マーベリックは仲直りできるか!? ん?この設定なんだかスタローンのオーバーザトップ味があるぞ。だから良いのか! 名のある若手エースパイロット達を次々と捩じ伏せていくマーベリックにはスカッとしますし、同時に「コイツがやればいいじゃん…」ともなります、まぁやるのですが。 そういえば若造連中の中でも上手だけど調子こき憎まれキャラのハングマンですが、コイツって若き頃のマーベリックそのまんまなんですよね。だからなんだか憎めないのが不思議な所。まぁ彼の未来が少し見えたから選考に選ばなかったのかもしれませんね。 そんな訳で最終ステージは息を呑む展開の展開の展開。なんだよ結局マーベリックが行くんかい!となりましたが、もうそんな事は忘れて最高のアトラクションに突入。これでフィニッシュかと思いきや、まだまだ続く息を呑む展開の連続にハラハラしない訳がない!こんな凄いアクションシーンの連続で飽きずにハラハラ出来るなんて凄過ぎますよ!あとGを耐えるシーンではなぜかコチラも一緒に耐えてました。 そして最後はトムキャット登場、まさかの最新鋭機とのバトルは熱いし超逆境が「さすがのマーベリックも終わりか!?」と思わせるので前のめりになって手に汗握ってました。 なんだかんだ最後の最後までマーベリック最強伝説で貫く本作。ヒーローがアレしてしまう展開が多い昨今の映画でここまで王道を貫く本作はまさに映画の中の映画でしたね。ボロボロ泣いて、ハラハラドキドキして、スカッと追われる近年では最高の映画体験でした。ありがとうトップガン。次は4DXで見てくるよ。 [映画館(字幕)] 9点(2022-07-01 07:55:18)(良:1票) |
13. 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島
《ネタバレ》 ドアン!?何故!? そんな当時のアニメでも相当異色の一本。本筋から離れたアムロが1人の戦士と心を通わせるエピソードの一つなのですが、まぁドアンザクが岩でミサイルを撃ち落としたり正拳突きでザクを倒したり、細長かったりでネタ扱いを受ける可哀想な一本です。そんなお話がなんと安彦良和の目に止まりました。何故。 漫画版オリジンでも扱われていないお話らしく、本筋からも影響が出ないし一本の映画を作る上で扱いやすかったのかもしれませんね。 …って、ドアンで客が来ると踏んで企画が通る令和の時代は凄い。 そんな訳であの短いエピソードがなんと長編映画に。細かい設定は変わっているし、子供は倍どころじゃ済まない人数に増えてるし、あの女の子は何故か名前がロランじゃないし、ドアンの人となりも更に深くなっている。もう強くなくてもこの人数の子供から慕われている時点でドアンは凄い。 そしてルッグンでルルルと来るカッコいいザクもこの際だから5機に。しかも「強いぞ!カッコいいぞ!プラモ買え!」と言わんばかりにジムを倒して大活躍するもんだから、「ヤベー!ドアン今回は無理だろ!」とコチラも手に汗握ります。まるでMSVから飛び出し、アニメに殴り込んできた中学生が鼻血を流して喜ぶ様なコイツらは良い感じに、素人ホワイトベース部隊を蹂躙…の後に全滅します。やっぱりドアンもアムロも強いな〜。そして相変わらずセイラさんって変な人ですよね。 にしても今回のモビルスーツと戦争の描写はホント恐ろしくて、ガンダムですら怖いです。あのホロを剥がした時に現れるガンダムはヒーローではなく完全にジオン殺すウエポンですよ。 ドアンザクの回想に映るレッドショルダーも真っ青の地獄の部隊感が凄いです。そらゃやってられませんわ。 ちなみに今回は逃げる相手をガンダムが潰すという非常にエグいシーン付き。兵器の怖さと戦争の恐ろしさをこれでもかと見せつけてきます。牧歌的な裏にあるエゲツさがたまりません。 しかし終盤は何故か子供達は地下へ逃げず、ヤギと共にドアンのバトルを観戦。いや危ないよ!逃げろよ!でもこの応援やリアクションが映画的にはいいんですよね。 必殺ドアン正拳突きはありませんでしたが、代わりにガンダムが大暴れ。後光までさして頼もしいBGMまで流れるガンダムの心強さよ!そこからはまぁ時代劇さながらのチャンバラ合戦。荒れる海の決戦は中々見応えがあります。 そんな訳でオリジンで見たかったのはコレなんだよ!という絵をこれでもかと見せてくれた、とても良い映画でした。面白かったです。あとマ・クベ氏は内心めちゃくちゃホッとしてますね。(あとでキシリア様に殴られそうだけど) [映画館(邦画)] 6点(2022-07-01 07:52:53) |
14. シン・ウルトラマン
《ネタバレ》 そもそもが30分程度のSF特撮番組なだけあって、一体どんな「映画」になるかわからなかったが、出来上がってみたら、お話の転換が自然で一件落着と更なるピンチが楽しかった。シンゴジラのシリアスな雰囲気とは違って、ちょっと抜けたユルい雰囲気も非常にらしさがあって嬉しい。 しかし話のディテールはオリジナルの雰囲気を保持しつつ「これは厄介な事になったな」と思わせる緊張感がまた上手い。メフィラスの件も怖いぞ。 にしてもお話のアレンジも意外性もありつつ、偽ウルトラマンに巨大な隊員、戦闘をやめるメフィラス星人にゼットンに勝つ人類、そして実相寺アングルといったオリジナルの肝心な部分は裏切らないのがとても嬉しい。 特にイデ隊員的役割を持つ隊員がしっかり自暴自棄になってくれた。このドラマこそウルトラマンだと僕は思うんだ。 小ネタも嬉しくウルトラQの怪獣が最初からドッ出てくるのには笑っちゃいました。(どうせだったらバルンガも出して欲しかった。) 最後の強敵もまさかの理由が面白くも恐ろしい。というかマルチバースは免罪符か何かなのか。 そしてアクションシーンも素晴らしい。しかも結構たっぷり見せてくれるので満足ですよ。 対ザラブ戦の都内のビル街の戦いも相当な大惨事だけど面白い! ただゾフィーの声が山ちゃんというのがなんとも山ちゃんで山ちゃんなのが山ちゃんだった。もっと得体の知れない声の方が個人的には嬉しかった。 最後にまぁ「詰め込みすぎじゃね!?」って思うくらいの濃密な2時間でした。しかし足りない!バルタン星人に体を乗っ取られる長澤まさみとか、子供に石を投げられるウルトラマンとか!いろいろ彼らの活躍をもっと見たかった! きっと彼もハヤタ同様記憶はない。 一番の主人公が記憶も力も全てを失う喪失感もウルトラマンな気がしなくもないが、ここは一つハッピーエンドでいっか。 あと盟友をスタッフロールの最後に持っていく庵野秀明の友情はいいもんですね。 [映画館(邦画)] 7点(2022-05-15 21:55:28)(良:1票) |
15. ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
《ネタバレ》 湧いて出て来た謎の女の子。狙われるならばどんな奴でも守らねば。誰でもない正義の心がそうさせる!相手はあの盟友ワンダ。しかし心はすでに壊れてしまった。やらねばやられる。どうするストレンジ! いやいや、完全にワンダ闇堕ちしたんかい! ワンダヴィジョンでこれからどうなるかと思ったらまさか魂を売り渡していたとは…。 それに巻き込まれるのは同じ魔法使いでも強さは正直微妙なストレンジさん。開幕から一部で有名なシュマ…ガルガントスさんの大活躍も見れて満足。しかしまぁワンダの襲撃以降ホラー描写が強いのもわかりますが、とにかく死の描写やらが多くてエグ味は他のMCUに比べると強く、ワンダが取り返しのつかない所にまで来てしまった悲しさで以降のマルチバースの旅がワクワク見れないのが辛かったです。 まぁそのマルチバースの旅も意外と映像的に面白くなるかと思ったらそんなことも無いので肩透かし。その代わり出て来たのが謎アベンジャーズ ことイルミナティ。 まさかの連中大集合で面白かったです。ウルトロンもプロフェッサーXも宇宙忍者ゴームズいるよ! まぁ彼らもワンダの圧倒的パワーに蹂躙されちゃって今お会いしたのに即お別れなのでかなりツラい。あとファンタスティック4なんだから4人出してやれよ!あとその殺し方は普通にエグい! そんな訳で楽しいけど心がツラいの方が本音なストレンジとの地獄旅。 …って突然音楽バトル始まったんですがどう言うことなんですか? ホラー描写に関しては監督サム・ライミのホラー映画オマージュなシーンもたまりませんし、誰も歯が立たない力を持つワンダのモンスターっぷりもたまりません。 しかしインフィニティウォーから本作に至るまでワンダがとにかく可哀想な本作。 制作の誰かワンダに恨みでもあんのかというレベルでイジメられまくってるのが本当にツラい。 救いがあるとしたら他の宇宙のワンダが幸せなくらいだ。しかし今まで戦いを共にして来たウチのワンダはこんなに苦しんでるんですよ!あーもう! 終盤の死者ストレンジを使ったあたりはギャグとしても面白いですが、もうちょい面白いリアクションしてくれる人がいても良かったかもしれませんね。そんな訳でヤバい書を開いてしまったおかげで第三の目を開眼してしまったストレンジ。これからどうなってしまうのか気になりますが、とりあえず今はカミナリ様に期待したいと思います。 [映画館(吹替)] 7点(2022-05-08 17:51:54) |
16. ガールズ&パンツァー 最終章 第3話
《ネタバレ》 知波単との激戦に決着!強い!なんか知らんが強すぎる! そんな激戦はちょっとわかりにくい。なんせ鬱蒼とした夜のジャングルがバトルフィールド、これではどこで誰が何をやっているかわからない!左上にミニマップでも表示してくれたら助かります…。 しかし映像的には派手で常に緊張感があって面白かったですね。負け方も非常に知波単らしいというか、しかし熱かったです。 そんでもって他の学校の試合もどれも面白くてよかったです。やっぱりアンツィオが良い! そしてはじめる継続との試合。知波単が行っていたアンコウが落ちれば総崩れという不安すぎる言葉が的中して最悪の開幕に。 一体全体どうなってしまうのか、四話が待たれます。 今回も非常に楽しかったガルパン最終章!次は一体何年に上映なのか!あとやっぱり映画館で見りゃ良かった!!!!! [DVD(邦画)] 7点(2022-05-04 13:37:28) |
17. フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
《ネタバレ》 いつもは興味が湧かない恋愛邦画にアベンジャーズ ばかりやっている駅前のデカい映画館で何やらおかしな予告をやっている。どう見ても単館系の絵作りの映画はウェス・アンダーソンの最新作。役者もやたら豪華なのも気になります。(そして改めて今回この映画を本サイトに登録したときその役者の豪華さにビビりました。) グランドブダペストホテルとダージリン急行の2本ほど見たことあるけれど、経験上この人の映画は家で見ると後悔すること間違いなしだったので、映画館へ。迷いましたがこれで正解でした。 架空のフランスの街を舞台を記者達がいろんな視点で紹介してくれるのは最初はどうなるかと思いましたが面白いのなんの。飛行機の断面図はさすがに驚きましたし、レア・セドゥも可愛かったです。映画館で見るとやはり大画面にイカす構図の絵がビシバシ出てくるのがとにかく楽しい。それに監督独特のユーモアがそこかしこで炸裂するので何度も劇場で吹き出してました。個人的には単純なギャグが素直に嬉しい。結局あのレスラーは車にしがみついただけなのも最高! ただ長台詞が多いため、字幕を見ていると映像が見れないため辛いところもありましたが、この類の映画で2時間未満に収めてくれたのは嬉しかったです。なんだかんだ独特の音楽と映像と変なお話を終始楽しむことができました。 [映画館(字幕)] 7点(2022-02-14 20:23:17)(良:1票) |
18. スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
《ネタバレ》 スパイダーマンである事はピーターを救い、どこまでも苦しめる。勝っても晴れやかな気分には慣れない苦い戦いに明け暮れる彼の戦いはいつだって変わらない。 ヴィランたちはいつだって気の毒だ。なりたくてなった訳じゃない人々が力を制御出来ずに人を傷つけていく。 そんなスパイダーマン映画の最新作はサム・ライミシリーズ、アメイジングシリーズを総括した凄い内容でビックリ。あのヴィラン達を一人ずつ救っていくのだ。にしてもマックスは随分イケメンになりましたね。 あのスパイダーマンの気の毒なアイツが、やっと救われると思うと涙腺が結構来る。 そして見せ場はやはりスパイダーバース 。 ついに集合してしまった三人のスパイダーマンは凄いテンションが上がる。そしてアンドリュー・ガーフィールドがMJを救うシーンがまたなんとも泣ける。 スパイダーマンに喪失はつきものであり、運命だ。彼が全てを乗り越えまた会える日を俺は待ってるぜ! [映画館(吹替)] 8点(2022-01-20 14:43:40) |
19. ブラック・ウィドウ(2020)
《ネタバレ》 いや、知ってるよ!この人の過去はツラいって!…ほらやっぱりツラい!知ってた! そんな訳で彼女の活躍無くしてアベンジャーズは勝利は無かったのですが、そんな彼女の過去は結構謎だらけ。 初っぱなから解かれる過去は序盤から結構しんどい。なんて人間は残酷なのか…!そしてタスクマスターの正体も非常にキツい。そこまでするかというツラさ! しかしそこはやっぱりMCU。適度なギャグも少々挟みつつ頑張ってくれます。 シリアス一辺倒なお話に花を添えてくれるのはデブ親父なのですが、彼があまりちゃんとした活躍が出来ないのが個人的には残念。そしてこの親父に大塚明夫を当てるという配給の決断にも驚きです。いや、凄いあってるんですよ。 そしてやっぱりアクションはよく動く人なので見応えたっぷり、007なノリで世界中で暴れ回るナターシャさんの勇猛っぷりがイカしてます。あとRED ROOMという文字がドーンとでる演出僕は好きです。 そんな訳で最後の最後までなんだかんだ面白かった本作、ミニシアターっぽい間の撮り方や撮影も美しく、楽しめました。満足です。 [インターネット(吹替)] 6点(2022-01-06 00:09:51) |
20. キングスマン: ファースト・エージェント
《ネタバレ》 0!それは飛ばしすぎた2をリセットするには良い口実だ。2も嫌いじゃないけど、あの駄菓子はなんともクドすぎた。 そんな訳でキングスマン誕生の物語へ。舞台は20世紀初頭!日本人にはいささか馴染みのない第一次世界大戦真っ只中。英国崩壊を狙う魔の手からあの体たらくのM…ではなくオーランド・オックスフォードことレイフ・ファインズが頑張るスパイ映画になっている。 というかこの映画レイフのレイフによるレイフの為の映画だ。 キングスマンらしい特徴的な刺客と、派手なアクション、そして独特のエグみがシリーズの味だったけれど、エグみは前作でやりすぎたせいなのかその点は思いの外控えめ。そして史実に基づくお話にしたために説明は多め、派手なアクションは物語から30分後にやっと拝めるスローな展開。そんな訳であのビシバシキレッキレの映画のはずが異様に上品で親切でちょっと「らしくない」印象。 だけどもアクションシーンも刺客もやはりキングスマン。この堂々たるラスプーチン!まさに怪僧!正直こいつがラスボスで良いくらいの圧倒的存在感。そしてコイツの戦闘スタイルはどっかで見たことある!そうだ!ネオジオの格ゲー・ワールドヒーローズのラスプーチンだ!クルクル回る姿はまさに俺たちがよく知るラスプーチンだ!・・・しかし、この映画の最も盛り上がる所はここ。 その後の展開は結構失速してしまう。息子の死というドラマを描かねばならない為に遠回り…まぁ立ち直りも早いけど。 そんな訳でアクションシーンはどれも一級品でラストバトルも見た事無いアングルのバトルが拝めたりと満足も出来るが、もうちょっとしまりと刺激のある作品にしてほしかったとも思ってしまう作品でした。 この調子で第二次大戦、冷戦と続いて行きそうなので次回も見て行きたいですね。 [映画館(字幕)] 6点(2021-12-30 19:30:44) |