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1.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 
これぞエンターテイメントという映画でしたね。これを映画館で観て否定的な評価をする人はほとんどいないのではないでしょうか。ミッションの絶望的な難易度を訓練のなかでいやというほど描いて緊張感を演出し、ミッション本番でのめくるめく展開は本当に良くできていたし、映像的にも秀逸だったと思いました。  いやー、最後に主人公とヒロインが格好いいキスシーンで終わるような映画ですから、登場人物が死ぬわけにいかないのですが(笑)、それでも、死ぬのか?死んでしまうのか?とのめり込ませるところはすごいなと思いました。  もちろん、「ならず者国家」と訳されていた想定敵国はある意味同じ人間扱いしていないような描き方でしたし、おバカなエンタメ映画であることは間違いないですが、出来映えはかなり良かったので、個人的には9点あげてもよいと思える作品でした。
[映画館(字幕)] 9点(2022-08-29 00:49:26)
2.  恋するトマト 《ネタバレ》 
Amazonプライムビデオで鑑賞。最近はあまり見かけることのなくなった個性派俳優の大地康雄さんが企画脚本から作り上げた作品のようですが、当時はこんな映画があったのには気づいていませんでした。過疎農家の嫁探しを舞台に、本気感のない富田靖子に案の定振られた後に「絶対だます」ルビーモレノに首尾よくフィリンピンで金をだまし取られてどん底に落ちたところから本編が始まる感じで、その後は非常にさわやかな純愛ストーリーが展開され、観終わった後はすがすがしさを覚えました。  私たち日本人がフィリピンに抱くイメージとか知識のなさなども手伝って、フィリピンのストーリー展開に突っ込みどころを感じなくて済む要素もあるんだろうなとぼんやり思いながら、非常にわかりやすい主人公の苦難と、その後のうまくいきすぎる恋愛ストーリー展開を違和感なく楽しめたと思います。人生の価値観を問う普遍的なテーマにも誰もが共感する明快な答えを出しているので、くさいですが、そこもよかったのかなと思います。フィリピンの人がみたらこの映画にどんな感想を持つのかは少し興味があります(海外の映画で日本が変な感じで描写されるのも結構ありますので)。  いずれにしても、違和感なく観れて楽しく感動的で、人生のテーマも描いているこの作品は高い評価を受けてしかるべきなんじゃないですかね。他の皆さんも感じたと思いますが、この作品が日本アカデミー賞でノミネートもされていないのだとしたら、それはちょっとどうなのかなと思いましたね。これは8点に値する映画だと思いました。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-08-21 16:35:49)(良:1票)
3.  トランス・ワールド 《ネタバレ》 
どんな映画か全くわからず観始めました。どこなのかわからない世界に閉じ込められる見知らぬ3人ですが、実は3世代の親子孫の関係であり、その場所は3人が不幸な人生を送る元凶となった、さらにその父親の戦死現場という設定で、少しずつ謎が解き明かされていく塩梅は非常に良かったと思いました。  もっとおどろおどろしい背景があるような描き方をし、実は不幸が連鎖しただけの血縁関係だったとひっくり返すところまでがこの映画の最大の魅力になっていると思いました。その後の未来を変えるための戦いや、その後の成功バージョンの結末については、おまけみたいなもので、やや適当な感じはありました。まあ、多分それほどお金をかけたメジャーな映画ではないのかな?という気がしますので、その辺は仕方ないかなと。  最後のオチでは、孫だけが存在し得ない世界になっていましたのでそこが可哀想でしたね。そして娘の相棒の強盗犯はそのままでしたので、その子供としてまた似たループ設定に彼が登場するのかな?と考えてみたり。地味ですがアイデア豊かな良作だったと思います。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-08-29 01:07:02)
4.  ナイトクローラー 《ネタバレ》 
社会人として普通のキャリアを積むことに失敗し、意欲はありながらも能力を発揮する機会をもらえない主人公。でも資材を盗んで売りさばくなどコンプライアンス意識に欠けるところがあり、何とも言えない悲壮な容貌も相まって、その行動をみるのが怖いような感覚を最初から覚えます。そこから事故現場のパパラッチという職業を知って、そこに参入していくのですが、何も気にせず目的にまっしぐらな行動を躊躇なくとれる主人公は大活躍をしていきます。踏み込んじゃいけない事故現場エリアで危なっかしい行動を繰り返す主人公に観ている方もハラハラドキドキさせられます。結果的には最後まで成功を続ける主人公ですが、テレビ局の女性プロデューサーに脅迫まがいに関係を迫ったり、一緒に組んでいた仲間を金のもつれで殺されるように仕向けたり、主人公ではなく、観ているこっちが後味の悪さを覚えさせられる映画です。  とにかく各シーンの臨場感は半端なくて、それだけで何かいいものを観たという気にさせられる作品でした。あとは人間の行いがテーマである映画なのに、社会一般の考えから乖離した間違った考え方をもつ主人公が罰を受けることもなくサクセスストーリーのように映画が終わっていくのがある意味裏切りになっていて、映画の後味を濃くしつつ言わずもがなの良識の部分は鑑賞者にゆだねられる、というのが新鮮でした。  8点はある映画なのかなと思いましたが、個人的には、素直な性格の自分にはちょっと乗り切れない部分もあるので7点にしたいと思います。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-08-21 17:33:38)
5.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
キャスト・監督含め予備知識ゼロで鑑賞しましたが、同一場面を複数なぞる展開で非常に面白い映画だったと思います。そのときスポットが当たっている人物以外は最初は未知の存在として描かれるのですが、どれも面白くややこしい事情を抱えていて、喜劇として楽しめることに加えて、えてして人間ってこういうものだよなーと納得させられる部分もあったのがよかったです。  ちょっと記憶は遠くておぼろげですが、この内田監督の作品としては鍵泥棒もアフタースクールもここまでいい印象がないので、この作品はキャリアのかなり初期のものなのでしょうけど、ベストに近い作品な気がしました(これをきっかけにほかの作品も観直してみようかなとも思いました)。  低予算だったのだと思いますが、映像の仕上がり具合やキャストの演技レベルなど、まあハンデを負いながら作っているのだろうなと思いましたが、コミカルな映画であればそこはクリアできるんだなとも思いました。  映画の作り方として面白いし、楽しめる部分もありましたが心を動かされる部分はそこまででもないので、7点評価とします。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-08-21 16:53:48)(良:1票)
6.  ディア・エヴァン・ハンセン 《ネタバレ》 
WOWOWオンデマンドで鑑賞。精神的な不安を抱える高校生の主人公が社会における自分の居場所を全く見つけられず無力感を感じる毎日の中で、ひょんなことから追い込まれて無理やりついた嘘がきっかけで、信じられないような展開になっていくという話ですが、要所要所の場面でミュージカル調になって、高い歌唱力をベースに感動的なシーンを作り出していくという作品でした。その点はすごく良くて、それだけで評価に値すると感じられるものでした。  ただ、主人公が勇気を振り絞って行動を起こすシーンは、ことごとく「いきなり雄弁に歌いだす」という現実感のないものなので、リアルなストーリーベースでその雰囲気を感じられない形になっているのは少し残念な気もしました。それら(主人公がなんとか絞り出してうそをつくシーンとか、スピーチのシーン)もしっかり通常劇のシーンとして作ったうえで、感動的な歌唱シーンも入れ込むようにすればもっとよかった気もしました。  ミュージカル調になっていることで描き方が多少雑でも気にならないメリットもあるけど、うそをつくのは悪いこととはいえ、自殺した少年の母親の圧力や同様の悩みを抱える同級生の強引さという要因に追い込まれていた部分もあるし、見ている側からすれば主人公は精神的な苦しさを抱えながらもその時々で良かれと思って一生懸命行動しており特に悪気のある部分はなかったのに、主人公だけが悪いみたいな感じに最後なってしまったちょっと納得感はなかったですね(主人公が人として許されない行為だといった後のヒロインの反応)。まあ、「アルジャーノンに花束を」のような感じで作品としてはきれいにまとまったという感じなのでしょうかね。  評価としては、誰もが部分的には抱える弱さを投影できる話で、感動的なシーンも数多くあった点から高評価したいところですが、上記の点から手放しでとはいかず、7点評価とさせていただきます。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-08-21 16:00:32)
7.  カオス・ウォーキング 《ネタバレ》 
最初から実際に話しているセリフと頭の考えが具現化しているセリフがごちゃごちゃになりながら主人公が登場し、なんじゃこりゃ?という雰囲気から始まりましたが、同時にここが自分の知っている地球と微妙に異なる星だということがわかります。なぜか男だけが自分の考えがテレパシーみたいに周りに伝わってしまうという現象がこの星では起こっており、それがこの物語の重要な設定になっているのですが、理由も何もよくわからない、まあ知らない星/世界だからね、という感じで特に説明はありませんでした。せっかく生き残れた移住民なのになぜか女を全滅させてしまうという愚行についても理解に苦しむ自滅行動ですし、ストーリーの展開も面倒くさそうなことは一切描かずに軽い感じで終わっていきました。  主人公が若く純真無垢でとにかく好感が持てる、というのが一番よかった点で、末永く幸せに!って感じですね。個人的には「未来少年コナン」に似た感覚を覚えました(笑)。予備知識ゼロで見始めれば、よくわからない世界が進行してワクワクする部分はあるけど見直そうとは絶対思わない映画ですね。個人的なジャンルの好みもあるとは思いますが、及第点の楽しさは提供してくれたということで、6点つけさせていただきます。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-08-30 00:10:08)
8.  シャッター アイランド 《ネタバレ》 
映画のタイトルだけをみて、全く予備知識なしに鑑賞しました。精神異常者の失踪事件を追うために怪しい離島の精神病患者収容施設を訪れる主人公ですが、最初からなんとも言えない怪しい雰囲気で、時折なにか主人公がとんでもない秘密を抱えていそうな描写が入り込みますので、どんでん返しの展開が来るのだろうなと思いながら観ていきましたが、その期待どおりに最後はなりました。謎めいたところがたくさんあったので、わかった上で見返すと新しい気づきが得られそうではありますね。  虚実入り雑じった映像なので、どこまでが主人公の妄想なのかわかりにくいですし、観る人によって解釈が変わりそうな感じがするところが面白いのかもしれませんね。悪名高きロボトミーが行われていた時代の話ですが、実際問題この映画のような現実に直面すると、解決手段としてこういうことを行いたくなる気持ちもわからないではないですが、でもそうであるほど、やや確信犯的にこの手段を行っていたとも思えてくるわけで、よりその時代の医療従事者の罪は重い気もしてきます。  最後は尊厳死のような形で主人公の選択がえがかれますが、それを黙って見送る医師も含めて、切ない終わりかたでした。ただ中途半端に廃人にされるくらいなら、それこそ自決という道もあるとは思いましたけどね。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-08-29 01:24:04)
9.  残酷で異常 《ネタバレ》 
地下っぽい怪しい雰囲気の空間から始まるので何だか本当に残虐なことが繰り広げられそうな感じでしたが、罪を犯して死んだ人達の反省部屋という設定でした。何というか、その空間の描き方は、一見地獄とはわからないが絶妙に怪しい雰囲気でよかったと思います。  そして「準備」という、罪を認めて悔い改めた状態?に至るまで、死の間際の自分の行動をループさせられるという地獄。主人公は殺してしまった妻への深くて重い愛情ゆえに(そのせいで妻から疎まれたのですが)、なかなか成仏の心境にいたらず、ねばり強く挑んでついにミラクルを起こしてしまうという、、まあ死後の世界を描いちゃってる舞台なので何でもありな感じでしたね。  主人公は最後に自己犠牲の精神で決着を着けたように、根っから偏執狂的な異常者という感じでもなく、それだけに可哀想な気もしましたが、最終的に楽しそうな雰囲気で地獄になじんでいたようなのでまあいいか、というラストでした。そして「準備」ができたら一体どうなるのか、については謎のままでしたので、他の異なる死に方をしたグループはどうなるのか、も含めて続編などで描いてほしい気もしました。  面白い設定で楽しめましたが、切ない生き死にのテーマの割には泣けなかったのがなんか珍しい映画だなという気がしました。そこも加味して6点とさせていただきます。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-08-21 23:33:14)
10.  ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 《ネタバレ》 
IMAX3Dで鑑賞。自分の会社(バイオシン社)の種から育った作物以外は全て食い尽くす遺伝子組換えイナゴを大量発生させて人類を危機に追い込み、その危機を回避するための技術に関する生きたヒントであるクローン人間(メイジー)を誘拐するが、本映画シリーズ歴代のヒーローたちに阻止されて滅ぼされるというのが話のすじだと思いましたが、たまたまこの世界が太古の恐竜がよみがえった社会であること、事件にかかわったのがその恐竜の復活に関与した人たち、というだけで、このストーリーのテーマに恐竜があまり関与していない気がしました。あと、バイオシン社がなぜ人類を飢餓に追い込むようなリスクを取ってまで危険なイナゴを作ったのか理解に苦しみました。  まあ、この映画シリーズの鑑賞動機が恐竜の迫力ある動き・恐怖を映像で体験したい、ということなので話のすじは二の次ともいえるのですが、であればもう少し恐竜のシーンをたくさんにしてほしかったなと思いました。とはいえ、映像のクオリティは十二分に高いですし、この映画シリーズが最後なのであれば、映画館で鑑賞できてよかったな、と素直に思えます。映像の魅力がなければ4点のところですが、映像でプラス2点、計6点評価にさせていただきます。
[3D(字幕)] 6点(2022-08-20 16:06:53)(良:3票)
11.  THE GUILTY ギルティ(2018) 《ネタバレ》 
過去に何らかの不祥事?を犯したらしく現場に出ることを一定期間禁じられた熱血刑事と思しき人物が110番コールセンターで業務をこなす中、怪しげな女性からの通報に異常をかぎつけて事件解決に向けた対応を行っていくという話ですが、場面転換が一切なく、コールセンター内の映像と電話の音声のみでストーリーが進んでいく映画です。音声を追っていくだけとはいえ、手に汗を握るような展開がずっと続き、飽きることなく最後まで鑑賞できた点は非常に評価できるのですが、そもそもこれって映画としてみたときにどうなの?という思いも同時に生まれてくるのが正直なところです。  映像情報は非常に限定的で、音声だけなので鑑賞者の想像力により補完される余地が大きく、(映像を具現化するという)映画という作品ジャンルの特徴・魅力を活かしきれていない印象になってしまいます。確かに今回は音声のみで進行するがために、重要な要素などもうまく隠したまま進行できますし、常に主人公目線なのでストーリーの進行もシンプルにできるメリットは大きいと思いますが、だからこそ、映像シーンをちりばめながら同様のサスペンス要素をうまく表現する、という「他の作品ではみんな苦心しながらやっていること」を放棄しているとみなすこともでき、私としてはちょっと高い評価にしにくい作品だなと思いました。  ここまでのレビューで軒並み高評価なので私の考え方が間違っているのかもしれませんが、個人的な意見としては、映画として評価するなら5点という形にさせていただこうと思います。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-08-21 20:47:43)(良:1票)
12.  欲しがる女(2016) 《ネタバレ》 
フランスが舞台で、田舎町出身の女性主人公がパリでの生活に支障をきたして故郷に帰り、昔の職場で就職を試みるもうまくいかず、ただそこで他は当たらずにその職場で代わりに職を得た女性に執着して、なんとかその女性にとって代われないかと犯罪レベルの行為を繰り返し、最後は殺してしまうという話ですが、主人公の行動に納得性が低く、なんでそこまでするのといいたくなることの連続でした。最初にその女性を付け回しているときは何か裏があるのかと思いながら見ていましたが、単に就職先を奪いたいという動機と分かってからは、うん、この人は頭がおかしい人だね、と思うことで納得させることしかできない感じでした。  主人公の視点で描かれるシーンが多く、その割には主人公の人間性に関する掘り下げもないまま犯罪行為が繰り返されるので、観ている方は全く腹落ちしないまま見続けることになり、観ていて不快極まりない映画だなと思ってしまいました。説明不能のおかしな人間の恐怖を描くなら、被害にあう方の視点をもう少し増やして行った方がいいのかな?という気がします。ということで、これは全くおすすめできないので3点とさせていただきます。
[インターネット(字幕)] 3点(2022-08-21 17:11:45)
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