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ひと足お先に試写会で見ました。1930年代の実話をもとにした1頭の競走馬をめぐる3人の男たちのドラマなんですが、人も、馬も、一度はボロボロになりながら、そこから栄光をつかみとるという、まさに「事実は小説より奇なり」といった波乱万丈のストーリーです。とにかく、実に丁寧に作られ、各キャラクターにも温かいまなざしが注がれた、言葉の真の意味で「珠玉作」と呼びたい作品。騎手に扮したトビー・マクガィアも、孤独な自動車王のジェフ・ブリッジスも、時代に取り残されたカウボーイで調教師のクリス・クーパーも、みんな素晴らしい名演だし。ただ、彼らを結び付ける馬のシービスケットの存在が、今ひとつドラマにからんでこないというか、「ただの強い競走馬」といった程度のイメージしか伝わってこないあたりが、”1頭の伝説の名馬をめぐる男たちの感動のストーリー”としては弱いって言うか…。しかし、何回か描かれるレースシーンは、もう圧倒されるばかりです。キャロル・バラードの名作『少年の黒い馬』をかなり意識したキャメラワークだけど、本物のレースの興奮が伝わってくる。これだけでも、本作は入場料のモトは取れると断言しておきましょう。競馬をただのギャンブルとしか思っていない方々への「プロパガンダ(啓蒙)映画」としちゃあ、申し分なし! 以上、ご報告まで。
【やましんの巻】さん 7点(2003-10-31 13:05:36)
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