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…美しい、そしてどこか神秘的で、もの悲しい、もうひと口では言い表せない不思議な映画。ジプシーの血が流れている飲んだくれの父親とダブリンの街で暮らす幼い兄弟が、一頭の神秘的な白馬と出会う。しかし、その馬が売り渡されると知った時、兄弟は馬とともにあてのない旅へ…というような物語(だったと思う。何せ、見たのは随分と以前なもので)。このいくらでも甘くも辛くもファンタスティックにも仕立て得る内容でありながら、そのいずれでもない「過酷なポエジー(詩)」としたのは、やはり舞台が“妖精の棲む国”アイルランドであるのと、脚本が『マイ・レフトフット』のジム・シェリダンだからか。とにかくふたりの少年が健気で、様々な苦難の旅を続ける姿には、何度も目頭が熱くなること間違いなし。特にクライマックス、すっかり白馬に心を奪われてしまった弟を助けようとする兄には泣かされます。…それにしても、こんな力強い繊細さに彩られた「児童映画(!)」に続いて『フォー・ウェデイング』を撮ってしまうマイク・ニュ-ウェル監督の才能は、もっと認められてしかるべきだっ!
【やましんの巻】さん 9点(2004-02-03 12:02:39)
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