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ぼくが愛するジョン・ヒューストンは、あくまで『王になろうとした男』の、『アフリカの女王』の、『キーラーゴ』の監督なのです。そんなヒューストンが、こんなにも美しい、あまりに美しすぎる「白鳥の歌」を歌うなんて、ほとんど“背信行為(!)”じゃないか…。そう思いつつ、いつ見てもただナミダさせられるのが、口惜しい。特に、あのラストシーン…。もはや「死者の眼」で見られたあの風景に心震えない者がいたとしたら、何と不幸なことだろうとすら思う。そして、階段に立ちすくみ、聴こえてくる歌声に微笑みながら涙を流すアンジェリカ・ヒューストンの、崇高までの美しさはどうだ。自らの娘のイメージ(映像)を、見た者すべての心に「永遠化」してみせたヒュ-ストン監督には、もはやどんな賞賛の言葉も無力だ。繰り返す、たとえ“遺言”にしても、ジョン・ヒューストンにこんな美しい「歌」は似合わない。けれど、それは間違いなく存在し、ぼくたちの前に残されたのだ…。
【やましんの巻】さん 10点(2004-02-23 19:16:21)(良:3票)
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