ベスト・キッド(2010) の 奥州亭三景 さんのクチコミ・感想

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ベスト・キッド(2010) の 奥州亭三景 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ベスト・キッド(2010)
製作国,
上映時間139分
劇場公開日 2010-08-14
ジャンルアクション,カンフー,ファミリー,リメイク
レビュー情報
《ネタバレ》 リメイクとしてはアクションが旧作以上にしっかりしていたし、全体的にしっかりとした作りになっていて良いですね。何よりもジャッキーが教える立場になっているというのが「蛇拳」や「酔拳」などで教わる立場だったのを考えると感慨深いものがあります。
と、褒めるのはここまで。
先ず、リメイクであることは判るのだけど、タイトルの「KARATE KID」は止めようよ(笑)。いくらアメリカ人が空手と中国武術(功夫)の区別が付かないのだとしても、どこかでその機会を作る必要はあるんじゃないかな?劇中で自虐的に言うシーンはあるけど、あれじゃちょっと弱いよね。
それといじめてる側の少年達が最後には仲直り、みたいなシーンは正直いらなかったと思うけどね。中国人のにたいしての印象付けを悪くしない為の配慮なのかもしれないけど、終わり方としてどうかなと思いますね。
この映画の根底にある、いじめ問題については一応描かれてはいるけど、それ以前に主人公が自らいじめを誘発するような部分というのはかなり頂けないと思ったし、彼の性格が終始鼻っ柱が強くて生意気なベタなアメリカ人という感じは、まるでドラえもんにすがるのび太君という感じを髣髴させ、最後まであまり変わらなかったのが非常に残念でした。それとこれが一番重要なのだけど、旧作におけるミヤギの弱い面として表現される家族の死について、旧作は日系アメリカ人に対する戦中の強制収容所収容や財産没収といった、アメリカの迫害問題という部分で作中に描かれたいじめ問題を強調し、同時にアメリカ社会の根底にある、差別や迫害を考えさせる映画になっている筈なのだけど、本作でも同じ様にハンの家族の死として描かれてはいるけど、そこまでの問題として、生かしきれなかったよね。天安門事件や中国の農村差別問題、自治区の問題など、表現方法はいくらでもあった筈なんだけど、中国側への配慮もあったのか、単なる事故死で終わらせてしまったという所がリメイクを中国でやった限界なのかもしれないですね。
良い出来ではあるけれども、旧作を越えられたかというと、やはり旧作には勝てなかったかな、という気がします。

奥州亭三景さん [映画館(吹替)] 5点(2010-09-05 14:03:44)
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