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《ネタバレ》 前半は悪霊に襲われる恐怖より、シングルマザーの子育ての大変さの方が胸に刺さってしまう映画であった。
これ、仮に悪霊がいなくても、ママはかなり大変だったよね。 出てくる人はなんだかクズみたいな奴ばっかりだし、悪霊よりも、出てくる人間の方に恐怖や不快感を覚えた。 天井の水漏れを隠して部屋を貸した不動産屋や、水漏れしてるというのに何の対応もしない管理人、人格に問題のありそうな幼稚園の職員、性格の悪そうな元旦那、どいつもこいつもひどい連中ばっかり。「霊なんかより本当に怖いのは人間だ!」とでもいうのか。人間のみなさんがもっとまともだったらあの親子もあんな目に合うこともなかったのに。マンションの廊下であれだけ大騒ぎしても他の住民が気持ち悪いほど誰も出てこないし。みんな冷たいなー。 さて、メインとなる悪霊のお話は、ありふれていて、あまりに目新しさがない。意外性は何もなく、何だ、まんまじゃないか、と。また、どうしてもツッコミたくなったのだが、子供が行方不明になったなら、マンションの貯水タンクなんて真っ先に捜索されそうなものだよね。 最後で首を絞める少女霊の姿はあまりに弱々しく、恐怖感ゼロ。ちょっと蹴飛ばしたら吹っ飛んでいきそうなんだが。恐怖感は全体として物足りなかった。 ただ、普通のホラーとは一風違って親子の愛情がテーマになってて、そのあたりが心に来るものがあってよかった。 クライマックスはドラマチックな展開になっているし、少々食傷気味なホラーお決まりの救いようのない、後味の悪いラストにもなっていない。悪霊すらも親に捨てられ母の愛情に飢えていて同情できる部分がある。 母が娘を守るため、廃墟となった団地のあの部屋で10年も悪霊と暮らし続け、そしてこれからもそうやって生きていくというのは、親の愛情の深さが心に刺さるし、同時に悲しくもあり、また、恐ろしくもある。いろんな感情がないまぜになる非常に心に残る結末だったと思う。 後は、黒木瞳の名演技が光った。大人になった郁子の俳優がブサイクすぎて泣けた(そこそこ名のある女優のようだが)。一緒にいた脇役の友達のほうが可愛いかった。 【椎名みかん】さん [インターネット(邦画)] 6点(2018-02-25 16:22:30)
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