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《ネタバレ》 最後の恒夫の号泣。「どうにかしてあげたい」と思う気持ちの中には同情や愛情の他に、憐憫、自己満足など、多くの感情が混在している。その発露としての涙。あの涙にこそ、どうにかしてあげたいと思いながら、どうにも出来ない自分の無力さ、身勝手さ、卑怯さ、傲慢さ、純粋さなど、すべての思いが込められている。
だが、ふたりにとっての出会いと別れは、決して無駄なものにはならないだろう。例え、同情を愛情と混同していたとしても、彼女に対する「優しさ」は決して偽りではないし、間違っている訳でもない。恒夫は自分の心の弱さや欺瞞を知る事で人間として成長し、ジョゼは彼の優しさに触れる事で、他人を受け入れ、前向きに生きる強さを得た。 突飛な導入で作品に引き込みながら、押し付けがましさの無い、前向きな終わり方に持っていく展開が巧い。恋愛ドラマとしては出色の完成度。 【FSS】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-03-09 00:27:54)(良:1票)
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