裏窓(1954) の ノマド さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ウ行
 > 裏窓(1954)
 > ノマドさんのレビュー
裏窓(1954) の ノマド さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 裏窓(1954)
製作国
上映時間112分
劇場公開日 1955-01-14
ジャンルサスペンス,コメディ,ミステリー,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 場面の(ほぼ)全てをジェフが掌握する映画と言えばよいのか。そう、物語はジェフの視線の先で行われる。つまり、そこには常にジェフという第三項が介入しているということになるのである。バレリーナの卵が踊り、未婚女性が幻の彼と杯を交わし、演奏家がピアノを弾き鳴らすその先には常にジェフがいる。このようにして、ヒッチコックは「私とあなた」、「敵と味方」、「善と悪」といった、二項関係で終始する対決の図式(西部劇、アクション・・・etc)を抜け出して、第三者、第三項的な映画を創出した。興味深いのは、主人公であるジェフが物語を動かす重大な役目を担っていると思いきや、結局のところアパートの住人が織り成す物語を覗き見る「観客」でしかない、とるにたらぬ存在だということである。つまり私達が「映画をみてかれこれ思惟する」ようにジェフは「窓辺の向こうの出来事を覗き、事件の真相を巡って相談している」のである。いやむしろこういった方がよい。ジェフは、私達見る側と完全に同化している、ジェフは私であり、私は窓の向こうで起こることをこそこそ見ている、と。だからこそ、クライマックスのシーン、犯罪者と思しき大男がジェフの部屋を突然入ってきたとき、観客は自分の部屋に入られたかのような新鮮な驚きを覚えるのだ。
ノマドさん [DVD(字幕)] 10点(2006-07-17 14:44:38)
ノマド さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2009-04-25少林サッカー6レビュー6.46点
2008-10-1120世紀少年7レビュー5.04点
2008-10-11ターミナル2レビュー6.17点
2008-07-02メメント7レビュー7.04点
2008-07-02ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ7レビュー7.82点
2008-06-30運命じゃない人6レビュー7.83点
2008-06-22海辺の家8レビュー6.79点
2008-06-22シザーハンズ8レビュー7.52点
2008-06-16ゲド戦記5レビュー3.69点
2008-06-13パプリカ(2006)5レビュー5.78点
裏窓(1954)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS