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《ネタバレ》 犯人が誰であるかの客観的かつ確定的な証拠を一切提示せず、また提示しても被告側弁護人によって次々と「疑わしい、信用できない」証拠として見るものをも欺いていくのは、推理小説を単なる『謎解きゲーム』とせず『文学』をしているクリスティのクリスティたる所以であろう。ともすれば重くなりがちな雰囲気を老練な弁護士とベテラン看護婦の軽妙なやり取りで救済しているあたりは流石ワイルダーである。ラストのどんでん返しは、観る者の主観を、レナードから弁護士へ、息つく暇なくクリスチーネへと移り行くことを余儀なくする。最後の最後、誰もが期待するセリフを弁護士に言わせ、うるさいオバチャンと思っていた看護婦もユーモアたっぷりに返す。誰もが痛快な気持に浸ることが出来るであろう。まさに傑作!
【pony-boy】さん 9点(2003-12-21 18:16:13)
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