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この映画をみて国連の批判や、国益重視の先進諸国の批判はできるが、だからといって自分たちだったら何ができるのか??寄付ならできる。しかしある1人のアメリカ人はお金を3万円だけ日本人に渡してこう言う。「お金は僕が出すから君がかわりに戦場に行ってくれよ」と。ルワンダの現状はわかった。我々日本人はクーラーのきいた映画館で、馬鹿な国連に腹をたて、この虐殺に無関心だった人間たちを軽蔑し、そして殺されたルワンダの国民に涙を流す。しかし頭の片隅には明日の仕事の段取りを考えている。せめて寄付でもして良心を満足させたいが、そういえば、家族とディズニーランドへ行く予定なのであまりお金を使いたくない。しかしこんな大虐殺が実際に起こっていたなんて信じられない。本当に素晴らしい映画だった・・と思っていたら友人から「今日は焼肉でも食いに行こう」と誘われる。ルワンダの事件は確かに深刻だったが焼肉は食べよう。多少良心は痛むが最初のうちだけだ。ルワンダの惨状に涙は流すが食欲はなくならないのだ。そして今日の夜もビールを飲み続ける。酔い加減も気持ちよくなってきたらさっそく、この素晴らしい映画のレビューをつけよう。もちろん10点をつけて、ルワンダに無関心な人間を哀れんでみせよう。私だけはこの映画をみて目が覚めた、この事件に強い関心を持つようになったのだ。そういう自分に満足をしながら温かい布団の中にはいってぐっすりと眠る。さあ来週はディズニーランドだ。なんとか今年のクリスマスまではこの事件のことを忘れないようにしよう。そうやって今日という日が過ぎていく。この映画を知って無関心だった事件に関心を持つようになった・・しかしそれだけである。
【花守湖】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-09-12 17:58:54)(良:2票)
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