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レビュー情報
《ネタバレ》 愛しているよ、という言葉は1つも出てきませんが、これは良質な恋愛映画です。しかも恋愛対象の2人(2機)には性欲もなければ、子供を欲しがる人間的な本能もないので、完全無欠の純愛映画に仕上がっている。男が好きな女性にたいして「好きだ」と言っている姿をそのまま映像にするのがTVです。しかし映画とは、「好き」だという想いを、台詞にせずに、隠喩や外面描写を用いて表現すること。そして観客にそれを想像させること。だから映画は芸術だと言われるのです。最初はウォーリーが男に見えるだろうか?イヴが女性に見えるだろうか?という心配はありました。ウォーリーに「ぼく」と言わせて、イブに「わたし」と言わせれば、簡単に男と女の説明ができますが、ピクサーはそれを避けた。私はこの時点でピクサーは理想主義者だと思った。彼らは観客に大きな期待をかけていた。物語が進むにつれて、2機のロボットを見事に「男」と「女」として、観客に想像させることに成功した。私はこれほど観客の「想像力」に大胆に挑戦した作品を他に知らない。愛する恋人に甘い言葉をささやくシーンもなければ、もちろんセックスシーンもない。でもこれは紛れもない恋愛。「ある男」が愛する女性の手をつなぐために命をかけた壮絶な愛の物語。この映画の純愛を観たらヨン様も裸足で逃げだすでしょう。
【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-10-25 23:44:03)(良:2票)
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