| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 石油という資源のために搾取され、自分たちの国と民族のアイデンティティの為に抵抗しようとした場合、圧倒的な軍事力を誇る相手に立ち向かうにはテロしかない。かつてベトナムではベトコンがゲリラ戦でアメリカ兵を苦しめた。その意味では、現代のテロとは、世界規模に広がった「ゲリラ戦」そのものなのかもしれない。……この機に乗っていた人々が我が身を呈してテロに抵抗したというのも、電話連絡や無線から導き出した「あくまでも想像」に過ぎないのだ。下に書き込まれているように、その意味ではこの映画は「ドキュメンタリー」ではない。アメリカでは犠牲者の人々が「身を挺してテロに立ち向かった英雄」視されている部分だろうが、果たして本当に電話連絡や無線があったものか、それも事実なのか、テロを前にアメリカ政府が国威高揚のために流したデマなのか、客観的に考えればそれも疑う余地があるだろう。……ただ、理不尽な運命に亡くなった多くの人々が居るのは紛れもない事実であり、それらの人々の魂は、きっと自分たちの死が英雄として祭られることを願ってなんかいない。思想の違いから生まれた必然的な争いに巻き込まれ、亡くなるしかなかった人々を心に留めるために、飾らず極めてリアルに描いたその姿勢に、心から敬意を評したいと思う。
【six-coin】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-09-02 17:47:40)
six-coin さんの 最近のクチコミ・感想
|