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《ネタバレ》 暴力を鋭利にスタイリッシュに描くことに関しては東の北野武、西のタランティーノと勝手に思っているのですが、今作もタランティーノスタイルそのままの、人間の持つ動物的な衝動や劣情を刺激する、音楽(選曲のセンスが抜群)とエロスと血と暴力が満載でした。
前半はこれでもかと言うほど退屈なトークシーンが延々と続きますが、ある時点で一転、凄まじいバイオレンスが始まります。タランティーノはこの緩急の付け方が全く天才的に上手いと思います。それは全体の構成でも、各シーケンスのアクションでもそうです。 本作は女性が主役でもありますが、キャスティングが絶妙で、どの女優もそれ程の美女ということはいのに、人物造形が大変リアルで生々しく、安物の香水や体臭が臭ってきそうな程のある種独特な色気を感じさせます。 もうひとつこれでもかと力が入りまくったのはカーチェイス。CGに逃げない(多分使ってないと思いますが)肉弾バトルに手に汗握りました。おそらく映画史に残るカーチェイスシーンになるでしょう。 ただ、自分の生のエネルギーが衰えてきたからか、遠慮のないバイオレンスに次ぐバイオレンスには少しぐったりしてしまいました。この人は映画狂、映画オタクで、血に飢えているわけでもないと思うのだが、この映画からほとばしる暴力的パッションの源は何なのだろうと時々思います。 この作品、タランティーノの作風を知らない女性とのデートにこの映画を選ぶのは慎重になったほうがいいかもしれません。自分が観に行ったときも何組かカップルが来ていましたが、どうだったのかなあ。その他、血と暴力が苦手な人、興奮しやすくて自分の感情をコントロール出来ない人(笑)にもお勧めできません。帰り道、車の運転が乱暴になります(笑)。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-09-09 19:27:40)(良:1票)
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