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《ネタバレ》 評価するのが難しい。いい台詞、いいシーン、唸らせる展開と、そうでない部分が交互にあらわれすぎる。主人公二人の最初の会話への持っていき方が唐突かつ強引。アメリカ大陸に着いてからならわかるが、船の中での駈落ちってのは、本人たちが沈むと思っていないとしたら大馬鹿者のなせる業(どう考えても目的地に着くまでに見つかる)。また船が傾いてから沈むまでのアクションシーンはちょっといただけず、とりわけ鎖を切断する場面は日本人なら思わず「オー、ノー」と目を覆うほど最悪。反対に、正装を貸すちょっとわけありそうな婦人の役回り、ディナーの場面での洒落た会話、三等客室でのダンスシーンなどはいいなあと思う部分。誰もが思い浮かべる舳先のシーンよりも、人間と自然との対比、一隻だけ戻った救命ボートから生存者をさがして大声を張り上げる乗組員およびそのまわりの凄惨な光景、それに対する、降るような星空の美しさおよび波ひとつ無い海の静けさのコントラストの見事さが、私としては一番印象に残る名場面。ともあれ、豪華客船を知りたいとこどもにいわれたとき、船の科学館に行ったり、氷川丸で食事をしたりするより、この映画は安くかつ効果的な回答になることだけは確か。ただし、船の映画のくせに、学校では教えてくれないクルマの正しい利用法についても学べてしまうところが、痛し痒しではある。
【南浦和で笑う三波】さん 7点(2004-05-16 18:09:49)(笑:1票)
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