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現代の商業映画と較べて、古典映画はテンポがゆったりとしている。現代映画に慣れている人はそこでいらつきだすか、まぶたが重くなる。私も例外ではなかった。だが、クラシック音楽を聴くのと同じ心構えで画面と正対すると、不思議とその時代の空気にこちらが同調し始める。サムの弾き語りを始め、映画の一部始終に流れる濃密なモロッコの空気は、半世紀を過ぎた今でも十分感じ取ることができる。「その映画が今でも通じるか」という見方も良いが、それでも苦しいという方は、目を閉じ、耳で映画を愉しんでみてはどうだろう。何にせよ、「観ていないと恥ずかしい」と年輩の方に言われるより先に、自分なりの感想を持っておこうではないか。ちなみに私は、三角関係恋愛映画のアーキタイプとして、味わい深く観させて貰った。古典的価値は満点級だが(「君の瞳に乾杯」という言葉が巷に定着しているだけで凄い)、感想としてはこの点数、ということで。
【J.B.】さん 7点(2003-12-06 17:25:36)
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