おくりびと の うさぎ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > オ行
 > おくりびと
 > うさぎさんのレビュー
おくりびと の うさぎ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 おくりびと
製作国
上映時間130分
劇場公開日 2008-09-13
ジャンルドラマ,コメディ
レビュー情報
《ネタバレ》 最近また邦画の出来がよくないなあと感じてるところに、この奇跡のような大傑作。全ての作品を押しのけてこれが賞をかっさらうと思う。いや、そうでなくては。

 主演助演、チョイ役全ての役者がきらきら宝石のように輝いています。特に広末の演技がよかった。妙なこだわりや固定観念に縛られてないような現代っ子ぽい奥さんなはずなのに、いざ自分の夫が「そうなってみると」やはり世間体を気にする、けがらわしいと言ってしまう。愛が冷めたわけではない、愛してる・・なのにしかし。こういう感情は悲しいくらいにわかります。きわめてリアル。愛があれば世間体も関係ねえよなんてのは夢子ちゃん夢男くんのあまっちょろい幻想なのだ。

 しかも映画はもっと残酷な運命を用意します、なんと子どもが生まれる。誰もがお世話になる職業だの、仕事に貴賤はないだのなんだの、屁理屈はどうでもいい、あなたは子どもに胸を張ってパパは納棺師だよっていえるのか、子どもはお父さんを納棺師だ!と自慢できるのか。これを言われたら男としてはもうギブアップ。いくら納棺の仕事に生き甲斐を感じ始めたとしてもアウトなのだ。

ところが映画はとっても素敵な解決を用意してくれました。最後に「私の夫は納棺師です!」と叫んでしまった広末。鳥肌がたつくらい感動。しかしだ。ありゃ100%夫の職業を受け入れてはいないかも、そのときの雰囲気に飲まれて叫んでしまっただけかもしれない。あとで子どもが生まれて厳しい冷たい現実がやってきたときコロッと後悔するのも女なのだ。
しかし、この夫婦・・・この家族はどんなトラブルが待ち受けていようと、なんとか苦しみ悩みもがきながら、うまくやっていくだろう。それを予感させるのがあの石ですね。あの一銭の価値もない汚い石ころに込められた意味はものすごく深いです。
珠玉の映画。泣いて笑って考えさせられて・・・なんと爽やかな後味か。チェロの音色に心を動かされないひとはいないだろうと信じてます。音楽がまた素晴らしい。邦画もまだまだ捨てたもんじゃない、やるなあ。
本木、広末の代表作となるでしょう。
うさぎさん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-23 01:07:48)
うさぎ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2022-01-16岸辺の旅1レビュー6.14点
2021-11-03朝が来る10レビュー8.26点
2021-10-17機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ9レビュー6.05点
2021-09-27劇場版 鬼滅の刃 無限列車編9レビュー6.83点
2021-09-23日本独立2レビュー3.33点
2021-08-13シン・エヴァンゲリオン劇場版:||2レビュー6.70点
2021-07-26ゴジラvsコング9レビュー6.04点
2021-07-24竜とそばかすの姫10レビュー5.30点
2021-05-08十二人の死にたい子どもたち1レビュー5.16点
2020-05-17今夜、ロマンス劇場で9レビュー6.17点
おくりびとのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS