スパイダーマン(2002) の veryautumn さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ス行
 > スパイダーマン(2002)
 > veryautumnさんのレビュー
スパイダーマン(2002) の veryautumn さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 スパイダーマン(2002)
製作国
上映時間121分
劇場公開日 2002-05-11
ジャンルアクション,ドラマ,SF,アドベンチャー,シリーズもの,青春もの,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 お気づきになった方も多いだろうが、主人公は身に備わった能力のことを"gift(神からの授かりもの)"と表現している。知ったかぶりをして言えば、これは英語では一般的な表現で、文化的な背景も含めて意訳すれば「その才能を使って"やるべきこと"をやりなさい、ということで神様があなたに与えたのですよ」というくらいの意味である。だからといって、それに関してこの映画が特に変わったことをしているわけではないのだが、しかし、そのあたりを分っているかいないかで、この映画の印象が結構左右されるのではないだろうかと思うので、ちょっと一言。私が思うに、これは「スパイダーマンになって楽しい」とか「勧善懲悪」とか、そういう映画ではないと思う。理数系に天才的才能を持ちながらカメラマンになりたい、などとぬかすような彼のような少年は、神からみれば自分の"gift"に全く無頓着な、許しがたい人間である。そこで神は、主人公の"少年"を、新たなパワーを持ち新たな使命を持った"男"として強制的に生まれ変わらせ、叔父を死なせ、「使命」を果たす道を選ばせる。しかも、与えられた"gift"が強大なだけに、使命もそれに見合った大きなものになる。となれば、必然的に彼は友人やロマンスといった「個人的な事情」も切り捨てていかねばならないだろう。この先ずっとだ。これはやはり「呪い」ではないか。「所詮はアメコミ」と言われるかも知れないが、サム・ライミは、少年が一人前の男になる課程を見せると同時に、スパイダーマンをそのような過酷な運命を受け入れて生きる男として捉えたのだ。私はそこが気に入った。ラストの言葉、特に「私は(ピーターではなく)スパイダーマンなのだ」という力強いがある種の諦観を含んだ言葉が、この映画のテーマをズバリ表している。
veryautumnさん 8点(2004-02-22 23:15:57)(良:5票)
veryautumn さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2010-05-08第9地区9レビュー7.07点
2010-02-23ハゲタカ6レビュー5.46点
2010-02-23グラン・トリノ7レビュー7.87点
2009-02-17アフタースクール8レビュー7.21点
2009-02-15ぐるりのこと。9レビュー7.02点
2008-11-27ハッピーフライト(2008)7レビュー6.57点
2008-09-27おくりびと8レビュー7.04点
2008-08-08クライマーズ・ハイ(2008)8レビュー5.55点
2008-07-20アメリカン・ギャングスター7レビュー6.78点
2008-07-20インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国5レビュー5.86点
スパイダーマン(2002)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS