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まず、ナチズムを経験したドイツでこういうタイプの集団狂気を描いたことに大きな意義があると思う。低予算なのだろうがそんなことを全く感じさせない出来栄えで、被験者達が常軌を逸していく様を畳み掛けるように描いていき迫力がある。私はこの映画で描かれたものを単なる異常心理・実験としてとらえるより、我々にいつも起こり得る(あるいはもう起こっている)事象のデフォルメとみたほうがよいと思う。どんどんエスカレートしていくあの看守達の狂気の正体とは一体何だろう。真面目さ、懸命さ、従順さがサディズムや全体主義的行動に容易に転化するのは何故なのだろう。看守達は自ら望んで自由を捨てるが、それは一体何故なのか。運動部でのリンチ、会社学校でのいじめ、....やはり、これは誇張されたフィクションの異常心理とは思えない。程度の差こそあれ、同じようなことが我々の身の回りで常に起こっているのだから。
【veryautumn】さん 8点(2004-01-06 09:39:46)
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