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藤沢周平の世界がよく描かれています。江戸時代の江戸や京と違う東北の雰囲気も感じられる名作です。庶民の、とはいえ武士の中でも小役人の生活が、藤沢文学の基本的なテーマでもあるので、この雰囲気やストーリー展開は予想通りです。山田洋次監督もかなり自分の世界を押さえているのではと感じました。剣の使い手でも世渡りの下手な主人公と、不運な幼なじみの恋に、藩の騒動を絡ませて、人の幸せとは何かを問いかけます。自分が幸せか否かは本人が決めることであり、他人が決めるものではありません。人がどう思おうと自分の価値の基準で生きていくべきなのでしょう。自己主張の強い主人公の劇的な展開の映画だけが名作ではないと感じました。
【パセリセージ】さん 9点(2004-03-13 16:04:57)(良:2票)
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