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《ネタバレ》 ただ若い男の子と女の子が入れ替わってラブラブやって、そこにきれいな映像が乗っかってるだけなら、ベートーベンの第九に「夢をあきらめないで。あなたを愛してるわ〜」なんて歌詞をつけたような作品になってしまっただろう。しかし新海監督はただきれいな映像を撮るだけの男ではなかった。人間と町、その土台となる文化と価値観、そういったものをきちんと細部まで描き、ストーリーが映像の単なる付属物ではなく、相乗効果と説得力を生み出す土台としてきちんと機能させている。口噛み酒、組紐、そしておんぶされたおばあちゃんの語りのシーンを観て「あ、この映画は大丈夫だ」と思った。人や物に対する新海監督の優しい想いのようなものが垣間見えた瞬間でもあった。
圧巻だったのは彗星が町へと墜落するまでの一連の流れだ。本来なら町を救えるのか?というシリアスな局面であり、不安でドキドキするところなのだが、美しく壮大な映像をRADWINPSのイヤーン!ステキ!な曲にのせて、トキメキドキドキへと変えてしまった(一応断っておくけれど私はRADWIMPSのファンではございません)。町を壊し、好きな人を死に追いやる彗星すら容赦なく感動的で美しいものにしてしまう、これぞ新海マジックだ。全くもって憎らしい限りである。 私ももう30オーバーのおっさんであるが、中高生のときに観てしまったら鑑賞後はさぞかし妄想・・いや感動で胸がいっぱいになったにちがいない。次回作は果たしてどうなるのか今から楽しみである。 ところであいつら、いつお互いを好きになったのか?まあいいか。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-11-23 09:06:57)
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