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《ネタバレ》 洋画かぶれで、ケッ!日本映画なんてと、息巻いていた時代の自分を更正させた作品です。大阪の尼崎OSという劇場で平日にみたのですが、結構人が入っており、おばちゃんからおじちゃん、その子供、ほんでもって会社さぼりのサラリーマンさん、お水系のおねーちゃんまで、いてました。さて、上映が始まると、武田鉄矢のシーンでぎゃはは、桃井かおりとのからみでぎゃはは、健さんのシーンではしんみり、と対比がすごく面白かったです。武田鉄矢の役所は言わば、狂言回し。健さんという男の人生を浮かび上がらせるための対比として、起用されたのですね。刑務所から出て来て、もし今も、俺を待っているなら家の物干に黄色いハンカチを出しといてくれ、なんて、ドラマのドラマみたいに本当の話は進むのですが、その間に過去のシーンが回想で語られ、奥さんとの出会い、結ばれて共に生活する場面の展開が観ている者にとって、とても愛おしいものになって来ているのです。いつしか「ハンカチよ、見えてくれ」の願いを画面にぶつけている自分がいるのです。そして、画面には何十枚もの黄色いハンカチが。そして、場内からは何十もの嗚咽が。分っていても泣けてしまういい場面です。衆知のハッピーな結末をいかに見せるか。そこまで、いかに話を繋ぎ、感情移入させるか、脚本も素晴らしいです。そして、山田洋次監督のまとめ方には唸るばかりです。この1本に、日本映画をもっと観るべきだと教えられました。
【映画小僧】さん 9点(2004-03-08 18:15:28)(良:2票)
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