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アップの映像が多すぎます。歌っている時はほとんどアップで撮らえていました。しかし、いい表情を見せていたのはファンテーヌ役のアンハサウェイと、マリウス役のエディレッドメインくらいかなぁ。ほかの役者にかんしては、表情をアップでとらえる必然性をほとんど感じませんでした。もともとミュージカルというのは、役者のエネルギーが歌唱のほうへもっていかれてしまうため、表情や演技が、概して淡白もしくは大味になりがちなのだと思います。アップの映像に説得力が出てこないのは、そう考えれば当然です。チラシによると、本作では歌のリアリティを重視する演出手法をとったとのことですが、ならばなおさら、カメラを寄せて表情ばかり撮るのではなく、歌手たちの声の「響き」を彼らの肢体やその空間とともに大きく映像化すべきだったと思います。とくにエポニーヌの歌う「On My Own」は、実際の舞台で観る時のように、大胆なロングで撮ってほしかった! そのほうが、彼女の孤独感と、歌の力強さとを、より壮大なスケールで見せることができたはずです。何もかもをベタなアップの映像で繋いでしまったために、金太郎飴みたいに一本調子で、小説のあらすじを大雑把に映像化したような大味な映画になってしまった感じ。まあ、泣くことは泣きましたけどね、ああいう内容ですから。でも、映画そのものが興行成績を塗り替えるほどの傑作なのかというと、そうは思えませんでした。7点でもいいんだけど、辛めの6点。
【まいか】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-02-07 16:31:07)(良:1票)
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