双頭の鷲 の まいか さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ソ行
 > 双頭の鷲
 > まいかさんのレビュー
双頭の鷲 の まいか さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 双頭の鷲
製作国
上映時間93分
劇場公開日 1953-06-24
ジャンルドラマ,モノクロ映画,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 三島由紀夫がこの映画を絶賛したのは、革命家の詩人と自分の立場が重なったからでしょう。三島は戦前の天皇制の回復を望んでいたけれど、天皇や皇室はそんなことをいっさい望んでおらず、むしろ民主化を進めようとしていた。この映画の革命家の男も、本来の王政を取り戻そうとしてるけど、当の女王はそんなことをいっさい望んでおらず、むしろ亡き夫の遺志を受け継いで民主化の先頭に立ち、そのせいで皇太后と激しく対立している(ある面では嫁姑問題)。しかし、男と女王は政治的に対立しながらも「片方が死んだら、もう一方も死ぬ」というほど愛し合ってしまうロミジュリ的な設定になってるわけです。
しかし、皇太后をいちども画面に登場させず、セリフ劇だけでそういう背景を表現することが、(戯曲ならともかく)映画的に成功しているかは微妙。正直、かなり分かりにくいと思います。しかも、女王が死んでしまったら、民主化の流れが止まって、皇太后の望む王政へ逆戻りするわけで、それは政治的にいえば王党派の勝利で女王の負けじゃないかと懸念してしまう。
ちなみに三島由紀夫の場合は片思いだったので本人が死んだだけで終わりましたが、本来ならば、市ヶ谷なんぞに乗り込むのではなく皇居に乗り込んで、天皇に向かって「俺と一緒に死んでくれ」と言うべきだったかもしれません。しかし、それこそが貴種幻想のナルシズムだと揶揄される所以だし、おそらく天皇は、三島みたいな人間がもっとも嫌いだったでしょうね。知らんけど。
まいかさん [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-08 13:13:56)
まいか さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-01-11花束みたいな恋をした8レビュー6.89点
2025-01-09セーラー服と機関銃7レビュー5.25点
2025-01-05ミステリと言う勿れ6レビュー6.85点
2024-11-16トップガン マーヴェリック9レビュー8.00点
2024-11-09トップガン6レビュー6.32点
2024-09-15記憶にございません!7レビュー5.51点
2024-09-15今日から俺は!!劇場版7レビュー5.73点
2024-07-06キングダム2 遥かなる大地へ7レビュー6.30点
2024-06-26M:i:III8レビュー6.61点
2024-06-08ミッション:インポッシブル7レビュー6.72点
双頭の鷲のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS