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《ネタバレ》 いろんな情報から絶対大泣きすると思ってタオル持って観に行ったんですよ、でも泣かなかった(not 泣けなかった)。登場人物に過剰な演技、台詞一切ありませんよね。現実には人ってこういう反応をするんだと思います。特にコンビニの店員の女の子が、明に「警察とか福祉事務所とか…」といったときに「離れて暮らすのいやなんだ、前にそんなことあったし…」と返されたときの演技、嘘くささが全くなかった。ということで、これはテレビマンユニオンお得意のドキュメンタリードラマですね、三つ子の魂百まで。そして現代にはそぐわないものを削ぎ落としていったと。是枝監督の作品はドキュメンタリードラマ的手法ばかりなのですが、今回はフィクションではない分それがより生きています。エンディングでカタルシス(意味わかんない人は調べてね)がないのは、あくまで主人公の子供たちの視点、感情がメインということで、観客が何らかの意味で納得することに比重をおかない演出意図だと思う。やり場のない感情ってみんな持ってるじゃないですか。ま、映画にはそれを昇華させる効用ってのもあって、アクション映画や昔のやくざ映画ってモロにそれなんですけど。冒頭にモノレールシーンを持ってきて、すぐに引越シーンに移行するところで明に経過した1年という長さがすぐわかるし、定点カメラの映像から様々な変化が見て取れるし、映像的にも優れてると思います。ベタな感動を求めるべき作品ではありませんし、第一カンヌでしかもタランティーノが評価したものにそんなもの期待するほうが間違いでしょ。
【shintax】さん 9点(2004-09-30 17:36:00)
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