八つ墓村(1977) の Tolbie さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ヤ行
 > 八つ墓村(1977)
 > Tolbieさんのレビュー
八つ墓村(1977) の Tolbie さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》  『砂の器』のスタッフによる、という惹句がとても残念に感じられる作品。
 そもそも、この原作は金田一耕助はほとんど活躍しない、登場もごく僅かであり、その魅力の大半は洞窟探検の場面に拠っている。そう考えると、この金田一は登場し過ぎで、そのくせ推理に論理的な根拠がない。彼の推理の根拠は、1:調べてみたら、真犯人は、尼子の子孫。2:真犯人の事業は破綻寸前で、東家の財産を狙ったものだ。というだけだ。論理的な根拠が何一つ無い。
 そして一番ガッカリなのは、中途半端なオカルティズムである。金田一耕助が謎を解くことが分かっている時点で、どんなに祟りや呪いのせいにミスリードしたところで、無駄なこと。晒された首が笑ったり、真犯人が最後に悪魔の形相になったりは、物語にそぐわない。ましてや、舞台を現代に置き換えているにおいてや、である。市川版を引き合いに出すのは良くないとは思うが、彼のシリーズが持っていた、オカルトではないおどろおどろしさ、そういうテイストが、特にこの作品には必要だったと思うのだ。
 そして、前述の惹句のとおり、観客の『砂の器』のスタッフ(具体的には橋本忍脚本と野村芳太郎監督)にかける期待を、完全に違う方向にうっちゃったことは、とても残念だ。この謳い文句で、感動の人間ドラマを期待しない人がいるだろうか?
Tolbieさん [DVD(邦画)] 4点(2012-06-29 01:53:52)(良:2票)
Tolbie さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-11-07ゴジラ-1.09レビュー7.48点
2023-04-16名探偵コナン 黒鉄の魚影8レビュー6.71点
2023-04-02沈黙のパレード6レビュー6.05点
2023-02-16鬼滅の刃 上弦集結、そして刀鍛冶の里へ6レビュー6.60点
2022-07-18大怪獣のあとしまつ4レビュー4.00点
2022-05-29シン・ウルトラマン7レビュー6.31点
2022-05-03ULTRAMAN7レビュー3.71点
2022-05-01科捜研の女 -劇場版-4レビュー4.33点
2022-02-11博士と狂人7レビュー5.83点
2022-02-11STAND BY ME ドラえもん26レビュー6.83点
八つ墓村(1977)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS