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《ネタバレ》 社会の価値を、通貨ではなく寿命に置き換え、それを管理する世界の物語。遺伝子操作によって、不死を達成しているのだが、「人が死なないと困る」ために、富裕層が貧困層を搾取して、彼らの時間(=命だ!)をコントロールすることで体制を保っている。
寿命(命)と価値(通貨)が直結しちゃっている話なので、この物語は、次のような命題も併せ持っている。お金(価値)というものは、命ほど大切なモノなのか?いや、逆か。命って、労働の対価や、単に希少で珍しかったものと、同じに取り扱っていいのか? 価値というのは、所詮は元々物だ。どんなに早いものでも光の速度を超えられないように、どんなに価値を積んでも、命には代えられない、替えるべきではない、というのが普通の人の感覚だろう。だから、そこを一緒にしてしまったこの物語は、資本主義社会への、強力な批判が展開されると思ってた。しかし、なかなか本題には踏み込まずに、若い二人の反逆者とその義賊っぷりを、延々と描いているだけ。 正直、もっと核心的な解決に至る物語に、なっているのだと思っていた。人の寿命と直結した遺伝子操作を、解消させるあたりまで行くとか、またはもっと悲劇的な結末を迎えるとか。しかし、この映画は主人公たちが強盗をし続けなければ、やがて元の状態に収束してしまうような状況で、終わっている。最後のシーンはたしかに、アウトロー映画のようでカッコイイが、物語は何も解決していない。そこの所がちょっと不満。 でも、こういう問題の提起の仕方は、嫌いじゃない。それと、ヒロインの美しさに加点して7点。…そういえば、全員体は25歳って設定だからか、綺麗な人ばっかりだな。 【Tolbie】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-19 16:55:23)(良:1票)
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