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《ネタバレ》 何度も見てきたが、今更ながらこのタイトルが素敵だ。トーキー時代に突入する映画界の舞台裏を舞台にした本作。彼らのダンスは誰かに見せる、もしくは一緒に踊ることで成立しているが、この「雨に唄えば」は主人公一人だけだ。吹き替えを思いつきお互いの気持ちを確かめ合ったあとでキャシーと別れたあとのシーン。それは主人公にとってどれほど嬉しかったことだろう。急に流れてくるBGMは感情移入している観客にとっても全く違和感がない。心から嬉しく最高の表現に昇華した瞬間だ。さらに雨が嫌なものでない、という捉え方も素晴らしい。このシーンを作品のタイトルにするセンスは今も見習いたい。全体の雰囲気を匂わせるタイトルが多いなかで、このネーミングは秀逸だと改めて感じた。そして今更ながらもう一つ、この作品のヒール・リナ役のジーン・ヘイゲンは実際はとても美しく穏やかな声の持ち主。キャシーによって吹き替えられた声も実はジーン本人によることを後に知る。この映画を名画たらしめる要因はジーン・ケリーたち主役陣によるものと思いがちだが、同じジーンでもヘイゲンもそれと同様の功績があったと思う今日このごろ。
【やしき】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-09-20 21:43:01)
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