| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 近くの映画館で「樹木希林さん追悼特集上映」として本作が公開されていて、ちょうど未見だった為鑑賞。
いやぁ、いい映画だった。 永瀬正敏がいかにも寡黙な職人の風貌で登場し、起き抜けにどら焼の生地を仕込んでいる。 店には女子中学生などで賑わい、これはきっと美味しいどら焼なのだろうなぁと想像しながら観ていたのだが、実は全然こだわりなんて無いし、そんなに情熱もないという意外性。 そこに登場したのが、50年もあん練りをしてきたという、言わばあんの達人、樹木希林の登場である。 これは面白くならない訳がない。 二人のエピソードを軸に悩みを抱える学生との交流も交えながらどら焼作りの大変さと楽しさがよく伝わってきた。 自分も和菓子を作る仕事をしている為、ほんとうにもの作りに対するこだわりや情熱が感じられたし、美味しいものをお客さんに食べさせたいというシンプルな想いに共感を得た。 小豆一粒一粒を丁寧に扱い、小豆に対して会話をしながらじーっと近くで観察し、炊けるのを待つ徳江さんの眼差しが忘れられない。 後半はかなり悲しい展開だったが、希林さんがもう亡くなってしまったという事実が、どうしたって作中の彼女が演じる人物と重なってしまって、涙なくしては見られなかった。 【ヴレア】さん [映画館(邦画)] 9点(2018-10-02 14:50:58)(良:1票)
ヴレア さんの 最近のクチコミ・感想
|