ザ・コンサルタント の シネマブルク さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > サ行
 > ザ・コンサルタント
 > シネマブルクさんのレビュー
ザ・コンサルタント の シネマブルク さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ザ・コンサルタント
製作国
上映時間128分
劇場公開日 2017-01-21
ジャンルアクション,サスペンス,犯罪もの
レビュー情報
《ネタバレ》 近年、監督としても成功を収めたベン・アフレック。
でも俳優としての代表作は?と聞かれると「うーん」と悩んでしまう。表情豊かとは言い難いし、仕草も口調もお世辞にも決して上手いとは言えない。直近の「バットマンvsスーパーマン」や「ゴーンガール」、役所としては重要なのに注目されない。
それが本作では、高機能自閉症の会計士兼殺し屋という役柄も相まって妙にハマっている。役者としての新境地を開いた作品じゃないですかね。

ベン演じる会計士ウルフの生い立ちを始め、過去の事件やそれらに関わった人物との間接的な繋がりなど、映画の作りは非常に
丁寧な印象です。二時間超の尺にも関わらず、きっちりと伏線まで気持ちよく回収し、集中力途切れず最後まで一気に観れました。

弟が今どうしてるのか?その存在が気になり掛けた頃、やっぱりてな展開で、終盤で少し失速した感はありましたが、
全体通して、ウルフの行動や生活感、例えば、冒頭と中盤の車の車庫入れの二度見せ、決まった時間に大音量の音楽を聴きながらやる行動。
集中して作業する前にフッフッと手に息を吹きかける仕草など、普段の立ち振る舞いは寡黙で無口、コミュニティ障害という点も明瞭に描写している。会計の不正を見つけたウルフだったが、翌日、依頼主から調査をストップされてしまう。幼い頃、パズルの1ピースが見つからないと気持ちを抑えられないように、予想はしない、数字は裏切らないという会計という遊び=ゲーム。その楽しみを中断させられたウルフは動揺してしまう。ゲームを終わらせねばならないと。
一見無軌道のようでいて計算し尽くされた射撃の腕前や幼い頃から叩き込まれた格闘術。凄腕の暗殺者としての見せ場もしっかり作り、その二面性のギャップたるや、存分に活かされおり、作品の根幹に関わるキャラクターメイキングが無駄なく成立していました。
冒頭ウルフを会計士として推薦した人物(社員の告発もあったが、これが原因で不正がバレたわけで)というのも気になるが、続編があるとしたらその辺や弟が今後絡んでくるのかな?
最後、彼女に贈った絵は、「ポーカーをする犬」から出てきたポロックの絵。その意味を知っていると、実に味のある締め方だと分かる。またウルフを影で支えていた協力者には驚いたけど、序盤の回想シーンで伏線が貼られていたことを考えれば予想通りの種明かしかな。チームコンサルタント今後の活躍が楽しみです。
シネマブルクさん [映画館(字幕)] 8点(2017-01-31 12:43:09)
シネマブルク さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-02-18バビロン(2022)10レビュー5.77点
2023-02-10仕掛人・藤枝梅安9レビュー7.83点
2022-12-21RRR8レビュー7.86点
2022-09-18ヘルドッグス8レビュー7.08点
2022-06-06スクリーム(2022)7レビュー6.00点
2022-05-22シン・ウルトラマン8レビュー6.29点
2022-05-12死刑にいたる病7レビュー6.23点
2022-01-25キャラクター5レビュー5.14点
2022-01-19ザ・ハント(2020)7レビュー6.73点
2022-01-01マリグナント 狂暴な悪夢8レビュー7.40点
ザ・コンサルタントのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS