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《ネタバレ》 ドラゴンボールという漫画に対しては、「何となく展開は思い出せるけど、人造人間はどれが何号だっけ?」というくらいの付き合い。そんな僕でも、予告編を観て「あ、これはヤバイ、ファンは残念だろな。」と思っていた。が、実は僕はこの作品には個人的に期待していた。「バトルフィールド・アース」、「トルク」に代表される、最高のお馬鹿映画になりそうだからだ。原作者の鳥山先生に「別のドラゴンボールとして鑑賞した方がいいかも。」と言わしめ、「原作は世界的大ヒットコミック!」、「最新のVFX!!」、「総制作費○億ドル!!!」などの圧倒的火力を誇る宣伝文句に、原作ファンには申し訳ないが僕は嬉々として公開日の朝一で鑑賞した。しかし予想外の事態が起きた。期待外れだったのだ。悟空が世界最強のいじめられっ子、ピッコロが単に顔色の悪いおじさんなどに、お馬鹿な片鱗は見られるものの、映画全体の展開やレベルとしては王道的で少し地味で、何より面白くないのである。うまく表現できないが、低いところで平均的な映画というか。クライマックスの大猿の微妙なサイズとかピッコロとのバトルのあっけなさとか、地味すぎるんじゃないのか。これだけクレイジーな設定で、原作者も「別モン。」って言ってんだからもっと、もっとぶっ飛んでてもいいとおもう。本作は、ドラゴンボールの映画を望んだ者、不本意だが原作ファンなのでお付き合い程度に鑑賞した者、最高のお馬鹿映画を望んだ者など、それぞれの思惑のもとに映画館に集まった全ての観客の魂を打ち砕いたようで、上映終了後には皆、頑なに口を閉ざすか、とりあえず苦笑するかしかできずに静かに館内を後にしたのが何か印象的だった。
【サムサッカー・サム】さん [映画館(字幕)] 3点(2009-03-14 19:58:29)(良:1票)
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