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《ネタバレ》 面白かった。
5,60年代の映画を意識したような雰囲気作りが昔気質のサスペンスをうまく作っていたように思う。 派手に伏線を張って最後の5分で回収するような作りではなく、最初から虚実入り交じっていてどう収束するかという直球勝負の映画だった。 クリスチャンベールの激痩せに話題がいっているようだが、相当に練られている一本であると思う。 一見幻想や幻覚という、サイコサスペンスもののように作られているが、実は主人公が全く寝ていないのではなく「居眠りをしている(ことに本人が全く気づいていない)」というところがよりリアルで秀逸ではないか。 本編で起きる事件すべてが居眠りをしているときみている夢で、罪悪感とその疲労が作り出した願望であったというプロットはよく考えられている。一見夢オチな訳だが、それまでの筋をなかったことにして見かけ上のどんでん返し感を出す手法として、手を変え品を変え使われる最悪の手法と同じ材料を使っている。しかし実際は夢を使ったオチであるが、夢オチとは明らかに違うという技法は幻覚や精神障害で物語を作るよりもかなり難易度が高いと思うしかなり挑戦的ともいえそう。 DVDのおまけに入っている削除シーンだけでも話が変わってくるが、全く筋も雰囲気も違う映画を何本も作れるような、切り貼りでいくらでも構成できるよう脚本に分岐があるように感じた。 確かに没シーンで作られるような筋の映画はよく12チャンの昼とか夜にやってる。 その分岐の中で最良のものが選ばれているんだと思う。 それから台詞やメモにも役割があるようなので、字幕より吹き替えの方がいい。 肝心なときに関係ない文字を読んでいると上の空になって雰囲気が元の作品からかなり離れてしまうと思う。 吹き替えの方が集中でき、雰囲気に大差は出ないのではないかとも思う。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-05-10 03:00:28)
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