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《ネタバレ》 イーストウッドの、いつものマジモード文芸調の映画なのに何かこうわかりやすさが押し出されている作品だった。
前半のジョーク混じりの説明的な展開は速くて心地よく、本当によく練られていると言う感覚。 晩年余生を静かに送りたい近所のおじいさんが、ダーティハリーの台詞に似たしゃべり方でドスをきかせるセンスはすごく面白い。 さて後半、取り返しのつかない事件が起こるが結末で本当に感動してしまった。 だけど、泣けるとか涙が出るとかそう言う感覚ではなく気持ちが大きく動くと言う意味でものすごい感動だった。こういう結末で本当に感動できる安心の本物の映画職人だとおもう。 イーストウッドは44マグナムをぶっ放して、正義の味方を演じるのが得意という評価が日本に定着しているのは、映画会社の思惑なんだろう。どういう訳か、日本ではイメージが変形して固定してしまった。あげく21世紀に永遠の大根役者として評価され続けていると言うのが面白い。 イーストウッドはいつだって本気で映画を作り続けている。本気で文芸作品を撮ったかと思うと、全くの同時期に本気で固定ファン専用プロモーション刑事映画を撮る。センチメンタルアドベンチャーとファイヤーフォックスが同年であったり、バードとダーティハリー5が同年であったりする。イーストウッドが文芸調なのはほんの最近だと思ったら大違いで、愛のそよ風とダーティハリー2も同年。この人ははじめから文芸調とファン向けアクションを併走している。 この映画は(というか全部そうだけど)一切情報を入れないで観た方が良い。 宣伝番組や雑誌特集で中盤の流れを知ってしまうとせっかく脚本家が用意した驚きを得ることができず感動のしどころが一つ消滅する。 メディアの姿勢は懸命に作った脚本家に失礼だと思わないのかちょっと疑問だ。 【黒猫クック】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-04-30 01:29:11)
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