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《ネタバレ》 前半こそ日本文化を絡めたコメディだが、後半急に
「垢すり」を始める。他にも「オンドル」である。他の言語で説明するとKorean floor heaterである。ジーニアス英和辞書にも明鏡国語辞書にものっている正真正銘の韓国文化だ。 地面にむしろを敷いて寝転がるサウナ。韓国のチムジルバンを想像させるための言葉をわざわざ選んだのだろう。このあたりの意図がテレビ的で、映画や本では絶対にやらないというかやってはいけないところではないかと思うのだが、どうだろうか。 よもやWikipedia程度の取材もしなかったのではないだろうかとは思わない。多様な「湯治」など、首都圏に住んでいれば箱根だの鬼怒川だのにあり、小一時間でいけることを数千万人が知っているのだから。 当たり前の、常識以前の日常に反旗を翻して、映画にこう言う仕掛けを施すのはいかがなものか。日本の文化と韓国の紹介をしたいのであればそのシーンは普通に韓国文化にも驚くローマ人でも良かったのでは無いだろうか? 日本の文化に韓国の名称を使ったり、韓国の道具を堂々と出してみたり。話もそれに合わせて突然印象が変わるなど、放送事業者の大人の事情があるのだろうがあまりにもそれが支配的で卑屈ささえ漂う。 たかが温泉じゃん。別にどっちだって良いよ。確かにその通りで、私自身温泉にも湯治にも全く興味がない。ただ、この映画の表現するところが、アメリカの食べ物がフィッシュアンドチップスで彼らがとても聞き取りづらい英語を話しながらパブに通い、フランス人が女王陛下に敬意を払って紅茶をたしなみ、ジャーマンポテトをビールで流し込む様を戦国武将がのぞき見する類いの、現実とのズレに創作のおもしろさを狙ったものではないだろうという事に居心地の悪さを感じる。 【黒猫クック】さん [地上波(邦画)] 5点(2013-04-24 20:47:19)(笑:1票)
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