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《ネタバレ》 原作のファンは楽しめるはず。そして、夢が足枷となって今現実に迷っている人にはきっと心に響いてくる作品。でもそれは、無神経に背中を押してくれるようなサクセスストーリーではない。煙草に火をつけ、休憩時間に見上げる狭い青空。身動きのとれない、矮小な自分と向き合う長い長い時間。「もう少し時間をください。何か答えが見つかるまでは」…石を投げれば当たるような凡人の苦悩を、弱さを見事に描いている。(時同じくして観た映画カイジ、対象的な利根川の言葉が突き刺さる)死別を流行のように扱っている腐ったその辺の邦画とは一線を画した。芽衣子を好演したあおいちゃんはさすがである。(あと助演賞は間違いなく、サンボマスター近藤さんで)ギターも、懸念したボーカルもそれなりに、いや素人臭くエモーショナルで心伝う。個人的に惜しむらくは、あそこまでストZEROをプレイしてたのに喧嘩後の「超どうでもいいー」の件や、最後「曲が…終わった…」のシーンは、きっちり描き切って欲しかった。更に細かいけれど、学生来の付き合いのはずのムスタングは真新し過ぎてリアリティが薄い。拘って欲しいところ。もう一度観たいと思う映画ではない。一度で心に刻み付ける作品。
【乳時雨】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-04-27 12:03:43)(良:1票)
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