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《ネタバレ》 作り手の熱意は大変強く伝わったが、ストーリーは残念ながら心に余り響きませんでした。一番の理由は主人公一派が「中学生か!」と叱りつけたくなる程に幼稚なこと。別に夢を追うな!と言っている訳でなく、主人公の人生への考えが稚拙すぎて全く感情移入できず……。だって主人公たちは殆ど大して努力もせずにダラダラ日常を浪費してるだけなんだもの。中盤で市役所員にヒップホップを披露しますが、そこでヒップホップ文化に理解のない大人たちに"ヒップホップとは何か?"と力説もせず、ただスゴスゴと引き下がるだけ。これは舞台が若者文化に埼玉が不理解だからでは無いですよ。だってTHA BLUE HERBなんて北海道の札幌出身だけど「俺たちがヒップホップの第一線だ、東京モノは俺たちの後ろをついてきな!」って主張し続けていて、成功した今も札幌を拠点に活動している。そういう努力を全くしていないのだから主人公たちが夢から脱落していくのは当然なんです。真面目に音楽やるなら真面目にやれよ!っていうね。私も学生時代はジャンルは異なりますが(一般的にメジャーでは無い)音楽をやっていて、周りでプロになった人間も何人かいましたが、彼らはキチンと将来を見据えて自分を売り出したり、本場の音楽を求めてNYに渡ったり、尊敬する先生に師事したりしてましたよ。
ラストは主人公が料理屋で働いていて、かつての仲間とフリースタイルを繰り広げる。仲間は主人公に振り向いて映画は終わり、もう一度夢に挑戦していくことを示唆しますが、私からすれば彼が夢を今度こそ成功するビジョンが全く見えない。終盤までの主人公の姿に全く乗れなかったからかもしれません。 要所要所の緊張感を持続させた長回しや、主人公に容赦無く言葉のナイフを浴びせるみひろさんの演技、竹田先輩のトラックなどハッとさせられたシーンも多かったのですが。とにかく私にとっては主人公の姿勢にムカついてしまった映画でした。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-11-24 00:35:32)
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