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《ネタバレ》 「何回地球を滅ぼそうとしたら気が済むんだ……」と良く映画ファンからネタにされるディザスタームービーの名手(?)エメリッヒが今回ぶっ壊すのはホワイトハウス。ホワイトハウスを壊すなんてそんな地味な作品で大丈夫か?と思っていたのですが大変面白かったです。
まず一番面白かったのは現実のアメリカ社会を作品内に色濃く反映させていることです。主役の一人であるジェイミー・フォックス演じる黒人大統領は、中東のイランとの和解を目指していることから考えても明らかにオバマがモデルでしょう。彼が黒人差別の撤廃を目指したリンカーンを尊敬していることも実に分かり易い。 また彼が中東に歩み寄っていることをホワイトハウスの外で批判しているテレビ局は多分右派偏向報道でオバマを攻撃していたFOXニュースのパロディでしょう。このテレビ局がスクープを撮るためにヘリから無茶してホワイトハウスに近づこうとしたり、テロリストと聞くや「アラブのテロリストに違いない!」と決め付けるのも実際にやりそうな行動です。 また悪役の設定が上手い。大統領が死んだと決めつけ大統領を引き継ぐ副大統領は問答無用でホワイトハウスをテロリストごと空爆しようとする。これは多分アフガン紛争やイラク戦争の時に空爆でサッサとケリを付けようとしたブッシュ元大統領をパロってるんじゃないかなーと。実は黒幕の下院議長に利用されてるだけってのも、なんとなくディック・チェイニーを連想してみたり……。この下院議長を演じるリチャード・ジェンキンスもかなりチェイニーに似てる気がします。 まあとにかくアメリカの政治をパニック映画の中で描いている鮮やかな話運びでした。しかも素晴らしいのが別にアメリカの政治に明るくなくても楽しめるアクション映画でもあること!ここら辺はエメリッヒお得意の観客への過剰サービスが上手く機能していて、次から次へとアクションが展開するので全く飽きません。 ギャグも中々面白い。下層階級から大統領になったジェームズ大統領がテロリストに自分のエア・ジョーダンを触られてマジ切れしたり、ホワイトハウスの案内係がテロリストに対して「この調度品はイギリスの○○から贈られた大変貴重な××で~~」と窘めたり、随分小粋なギャグが多かったように思います。 と言うことで本作でかなりエメリッヒを見直しました!基本的にアメリカ万歳映画なのに最後まで楽しかったです。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-08-29 22:31:31)
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