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《ネタバレ》 第二次大戦を映画化したものの中ではかなり戦闘描写に拘って作られた作品であるのでしょう、オープニングのオマハ・ビーチでの地獄絵図から度肝を抜かれる。機関銃の弾が飛び交い、断続的に続く迫撃砲の嵐、四肢は飛び散り内臓が零れ落ち、降伏した敵兵に対しても容赦も無く慈悲も無く、ジュネーブ条約なんぞあって無いようなもの。このオープニングを撮っただけで正直勝ちだと思います。その後も徹底したリアリズムが観客を戦争状態へと引き摺り込んでいきます。スピルバーグは自作を語るときに良く言っていますが、戦争は個々の本質を丸裸にする。極限状態の戦場では自身を取り繕うベールなんぞは吹っ飛んでしまう。ある者は果敢に敵兵へ突撃し、ある者は只管に生きたいと思い逃げ回る。これも徹底した戦場のリアリズムを描いたからなのでしょう。そしてスピルバーグには良くあることですが、シリアスな戦闘シーンの合間に挿入されるコメディや兵士の日常の風景などがあるせいで非常にテンションをひっくり返される。鑑賞後には何とも言えない後味が只々残りました。
【民朗】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-12 00:07:11)
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