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《ネタバレ》 PTAが若干26歳だった頃に撮ったポルノ業界を描いた群像劇。単なる70年代から80年代にかけて移り変わるポルノ業界を描いているように見せておきながら、各場面でいとも簡単なように挟まれる超絶的な撮影のテクニックについ目がいってしまいます。
PTAはそもそも長回しが得意な監督なのですが、本作ではそのテクニックを特に執拗に披露していて、まずオープニングから唸らされる。「Boogie Nights」とショッキングピンクのネオンサインが画面に映ったかと思うと、カメラが街の通りを縦横無尽に動き回り、そのままあるクラブに入っていく。カメラはこの群像劇の登場人物たちの個性を映し出しながら進んでいき、やっと主役のダーク・ディグラーの顔をアップにカットが切り替わる。ここまで約4分間、一度もカットを切らずに撮っている。クラブでは少なくとも50人近い人が動き回っており、その演技のタイミングのコントロールは大変難しいことであると想像するのは難しくありません。 その後のプールでのパーティーの場面も同様。今度はカメラが水中に突っ込んだりする。もうムチャクチャ。でも物凄いテクニック。当時の流行した音楽をガンガンかけるというサンプリング手法はマーティン・スコセッシの『グッド・フェローズ』に似ている点も面白い。なんでも観客がおもしろがることをやってやろうという気概が伝わってくる。 ストーリーも80年代にフィルムは廃れ、ビデオブームが到来するとポルノ業界も手軽に効率よく"ヌける"企画物が横行し、業界トップクラスの監督だったジャックでさえ、その時代の流れに飲み込まれていく。一部では崇高とか言われることもある映画という媒体と、ダークも言っていた通り時には下品な文化だと揶揄されることもあるポルノが全く同じ道を辿っているのも面白い。 役者さんも演技派揃いで総じて良く、特にジュリアン・ムーアとヘザー・グレアムは惜しげもなくヌードを見せており、その女優魂は素晴らしい。個人的にはヘザー演じるローラーガールのキュートさとセクシーさには恥ずかしながら目が釘付けに……。眼福でした。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-07-18 23:38:39)
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