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《ネタバレ》 この映画は、ルイーズ・フレッチャーの演技が最大の見所です。患者とのミーティングをするシーンでは、彼女の表情に注目してください。微妙に優しさがこもった表情をしています。この映画が紹介されるときに良く使われる写真では、彼女は鬼婆のような表情ですが、実際劇中ではほとんど見せない顔です。ラチェッド婦長は患者には絶対権力者として恐れられていますが、病院という組織の中では中間管理職にすぎません。そして母国チェコから米国に亡命したミロシュ・フォアマンは、病院組織を冷戦時代の共産主義国家体制の寓話としてこの映画を撮ったのではないでしょうか。患者を従わせるために見せかけの多数決をさせたり、自分が飲まされる薬がなんであるかすら知らせない等のエピソードは、全体主義体制を暗喩していると感じました。所詮婦長ラチェッドも体制の歯車のひとつに過ぎず、本心はマクマーフィーが見せる自由な精神に憧れを持っているのではないでしょうか。
【S&S】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-10 19:05:30)
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