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《ネタバレ》 人間の善意の恐ろしさを感じた。
人間が悪意やあるいは利己的な理由で動く時は、なにかのためらいや躊躇を感じることが多い。しかし、善良で強い意志の持ち主が全くの善意で動く時、そこには何のためらいも、躊躇も入る余地はない。視野狭窄に自分で気がつかないほどに。 三木元巡査が極めて善良な人間であることは間違いないし、また和賀を実父に会わせようとしたのも全くの善意からであって、他には何もない。 ただ、そのことが和賀が今まで築き上げてきたものを全て失わせ、どん底に陥れるかもしれないことに全く気がついてなかった。自分の善良さ、正しさへのあまりの確信のために。 しかし、社会派ドラマとしては意義ある作品かも知れませんが、推理物としては最低の部類に入りますね。何だかなあ、警察が見込み捜査の上に、見込み捜査を積み重ねて、それがたまたま事実と合致する物語って。 (1)犯人の恋人が窓から捨てたのが、シャツだったという確証はどこにもない。 森田健作刑事が拾ってきたものが、全く事件と無関係な可能性もある。 たまたま被害者と同じ血液型!の血痕がついていたとしても、それだけでは被害者のシャツと断定することは出来ないし、ましてや彼女が捨てたものだという証拠もどこにもない。 (2)被害者が、映画館の写真を見て東京へ行ったというのは、それなりの合理性はあるが、単なる推論であり全く根拠はない。 (3)犯人が、戸籍を偽造したことは事実として証明されているが、DNA鑑定でもしない限り、本浦秀雄であるという根拠は何もない。単にそうであると辻褄があうという逆付けに過ぎない。被害者と犯人の間に交わされたとされる会話は単なる刑事の脳内電波にすぎないわけで。(どれくらい多くの戦災孤児がでたことか!) 願わくは実際の警察や検事が、この映画の中のように根拠のない見込み捜査で暴走しないことを切に願います(笑) 【rhforever】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-01-07 12:37:51)
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