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《ネタバレ》 リアルなところとちょっと変というところが混在して非常に変わった映画。
まずリアルなところは、何といっても戦闘シーン、帆船同士のまだ石の砲弾のぶつけ合いがすごく迫力ありました。(最近の安手の戦争物のように、石の砲弾が発火しないのも好感度アップ。)あと軍艦の艦内生活も、厳しい階級社会、ほんの子供から30歳近くまで混在する士官候補生たち、そして未熟な士官候補生と熟練した水夫の間の微妙な関係等、本当にリアルな、よく再現したなと感心したところが多かったです。 ただ、その反面首をかしげるところもまた。 まず題名からして。「マスターアンドコマンダー」という階級は海尉艦長とも訳され、正規艦長と一般士官の中間的な立場で、スループ艦やスクーナーといった小型艦を指揮する役職です。ところがサプライズ号は小なりとは言え、正規の軍艦ですから正規艦長じゃなきゃおかしいなと思ってたところ、今回ようやく訳が分かりました。この物語は小説としては第二作にあたり、好評だった前作の題名をそのまま引き継いだのこと。 でも、主人公のものと違う階級が題名ってどう考えてもおかしいですよね。 あと、軍医がやることなすこと、ほとんどリアリティにかけることばかりで。 まず、手腕からいうといきなり脳手術はやるは、自分で自分の腹に入った弾は抜き出すは、ほとんどブラックジャックレベルですw ま、それは単に優秀だったということでもいいんですが、ありえないのが言動。当時の軍艦において艦長が絶対的な権限を持ち、乗組員の生殺与奪を握っていたのは、極めて当然のこと、それを暴君呼ばわりとか訳わかりません。 あげくが軍医が、与えられた任務よりも、自分の博物学研究を優先するよう艦長に要求するとか、この脚本書いた人って本当にこの時代の人間を描くつもりがあったんでしょうか? まったくこの人一人のおかげでリアリティぶち壊しでした。 ただ、リアルなところは本当にリアルで素晴らしい映画だったのですが、このレベルでホーンブロワーの映画化とかあったら素晴らしいですね。 平成24年2月9日再見 いくら時代考証が素晴らしくても、ストーリーそのものがあまり面白くなくては。 残念 【rhforever】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-07-26 11:05:47)
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