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「蒲田行進曲」に10点を付け、しかも山田洋次監督が大好きな私にとって、この映画の評価が悪くなるはずがない。とても好きな映画であり、ある面では、蒲田行進曲よりも思いが強く感じられる。当時バリバリの大女優だった松坂慶子や倍賞千恵子らを脇に置いて、さほど実績がない新人有森也実を主役にしたのは物語の中の田中小春と同様。だから主役の演技がどうこうとか、中井と有森のロマンスが云々と言っても始まらない。この映画の主役は松竹蒲田のキネマの世界だ。「男はつらいよ」の役者陣が勢揃いするだけでなく、「蒲田行進曲」にも出演したメンバー、それにクレイジーの面々やら豪華なキャストが、ちょっとしたワンシーンの中にも映画(活動写真)に対する思いを込める。森の石松、月形半平太など、おもしろいシーンもたくさんあって、なつかしくも感じられ、さすがは50周年記念作品と映画への情熱をひしひしと味わった。
【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-03-20 20:37:32)
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