エスター の miki さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > エ行
 > エスター
 > mikiさんのレビュー
エスター の miki さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 エスター
製作国,カナダ,,
上映時間123分
劇場公開日 2009-10-10
ジャンルホラー,サスペンス,シリーズもの
レビュー情報
《ネタバレ》 インモラルな悪夢の出産シーンから最後まで、実に退屈する事無く鑑賞出来ました。リメイク「蝋人形の館」でハリウッドデビューを果たした、「痛い痛い」演出をこれでもか!と見せつけてくれた監督ですが、今回は王道とも言うべきシンプルでオーソドックスな古典的演出に更に磨きをかけた手腕の良さが伺えました。やはりこうした退屈しない、惹きつけられる要素は演出、役者の演技、印象的なカット、でしょうか。今回印象的なカットはあまり無かった様に見えましたが、それにも増してエスターを軸に巻き起こる家族の崩壊ドラマが非常に見応えがあります。エスターの正体はネタバレまでははっきり言って「反則」だと思いますが、そこまでのストーリー展開が安易でなくしっかりしている。ケイトにはアルコール、ジョンには不倫と夫婦間のギクシャク問題を絡めエスターを疑えば疑う程孤立していくケイトの疎外感を強調し、夫に突き放され我慢してきたアルコールに手を出しそうになる。これだけでも立派なドラマが成立しそう。エスターはエスターで、実は成人した女であり、満たされない自己の欲求から苛立ち凶行に走る、言わば「呪い」によって苦しめられている様がリアルであり、見方によっては単純なホラーを超えた辛さや苦しみを感じる事も出来た。初登校時、その古風な服装をダニエルには笑われ、ケイトにまで指摘されたエスター。「人と違う事は悪い事じゃない、良い事だ。」これはこの映画の問い掛けであると同時にエスターの正体を密かに暗示してたんですね。心は大人でも外見が伴わないエスターがこの服装をするのは、外見を気にせず恐れないという意思の表れなんだけど、逆にそうするしか自己を表現出来なかったからなんじゃないか?そんな「自分」が人に受け入れてもらえない事から情緒不安定になり、凶暴になったとも推測出来る。だから実は不幸で可哀想な女の物語なんじゃないかな?そして何よりエスターの可愛らしいお子ちゃま的なビジュアルで凶行を行う様や、Fワードやダニエルに言ったすんごい台詞が強烈に良かった。そして伏線の回収もきっちりしていてスッキリ。前・後メイクも凄かったエスターを演じたイザベル・ファーマンの次回作が凄く気になりますが、きっと普通に見えちゃうんだろうなぁ。
mikiさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-05-26 21:02:20)(良:1票)
miki さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2017-08-27エイリアン:コヴェナント7レビュー5.75点
2016-05-24グリーン・インフェルノ(2013)4レビュー5.29点
2015-12-22スター・ウォーズ/フォースの覚醒9レビュー6.85点
2015-12-10007/スペクター4レビュー6.43点
2015-10-26セッション8レビュー7.59点
2015-08-22アンダー・ザ・スキン 種の捕食7レビュー4.81点
2015-08-11ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション8レビュー6.99点
2015-08-07007/ゴールデンアイ8レビュー6.04点
2015-07-13ターミネーター:新起動/ジェニシス4レビュー5.30点
2015-06-17マッドマックス 怒りのデス・ロード8レビュー7.72点
エスターのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS