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レビュー情報
《ネタバレ》 スティーヴン・ソダーバーグ。この人は本当に映画の撮り方を分かっていて、ストーリーテリングがとても上手い。近年作同様、あっさりした淡白な描写とカットなのに、一つ一つが相変わらずセンスの良い画で感心する。オープニングで事件を知らせ、暗転から過去の回想へと繋がる定番の流れですけど、難解になり過ぎずに、置いてきぼりを食わないし、かついつの間にかグイグイ引き込む演出、構成、そこから観客には十分に謎解きの猶予も与えてくれて本当に良く出来た作りだと思います。このサスペンス飽和状態の現在で、まだこれだけ演出出来る事を示したソダーバーグ監督は流石としか言いようがないです。同監督作『コンテイジョン』の様に、医薬品の副作用(サイド・エフェクト)をストーリーの軸に据えて、社会への警鐘を鳴らしつつも、それすらもミステリーの一部にしてしまう脚本の出来の良さ。正常なのに、叫べば叫ぶ程精神異常だと誤解されるドロ沼の精神病院の怖さなど、問題提起もさりげなく。ジュード・ロウは『コンテイジョン』の先入観からか、嫌な胡散臭いヤツなのかと思わせる(僕にだけ?)役作りは上手いなぁと。全てを失いかけた者が逆転し、見事悪者が裁かれるオチは、バッドエンドの多い最近の作品の中ではむしろ新鮮。オールシンプルドラマですけど、全く眠気に押されずサクサク鑑賞出来ます。オチを知った上で再確認の鑑賞が楽しめる上質のサスペンスだと思います。流石ソダーバーグ!
【miki】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-03-27 22:21:12)(良:2票)
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