危険なメソッド の 飛鳥 さんのクチコミ・感想

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危険なメソッド の 飛鳥 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 危険なメソッド
製作国,,カナダ
上映時間99分
劇場公開日 2012-10-27
ジャンルドラマ,ラブストーリー,医学もの,歴史もの,実話もの
レビュー情報
《ネタバレ》 クローネンバーグ監督といえば、変態、グロ、気持ち悪いというイメージ。なので、精神分析の巨匠フロイトとユングの師弟関係をクローネンバーグ作品で見れるとは思わなかった。クローネンバーグのイメージが覆るような、実話に基づいたまともな作品なので、心理学、精神分析に関心や知識があるなら、興味深く鑑賞できる。そうでないなら、専門用語も飛び交っているし、二人の理論の違いもピンと来ないかも。
精神分析医が患者に手を出すのは、学校の先生が生徒に手を出すようなもの。どんな言い訳をしたところで、精神依存されやすい立場を利用して自分の欲望を叶えているだけに見え、プロ意識の欠如しか感じない。ここで描かれるユングは、無神経で自分本位の嫌味な人間に見える。何気ないシーンだが、フロイトの家で家族が大勢待っている中をユングが自分の皿に料理をテンコ盛りに取ったり、師であるフロイトと渡航するのに自分だけ妻と特別船室を取っていたり。裕福な妻の恩恵を存分に受けていながら妻を裏切って患者を愛人とし、愛人との関係も自分を正当化して患者を嘘つき扱いする手紙をフロイトに送っている。紳士面をしているが人に対する配慮やリスペクトが感じられないので、フロイトが彼を嫌ってついには絶縁にまで至る心情はよく伝わってくる。フロイトにも偏見や頑なな面があるが、二人の関係だけを見ればユングへの嫌悪感からフロイトの肩を持ってしまう。
キーラ・ナイトレイの精神疾患演技は見事。美形のスター女優が変顔と言えるくらい顎を突き出して奇妙な姿を晒すのは、百年の恋も冷めそうなリスクもあって結構勇気もいると思うが、やりきるところにプロの凄さを感じさせる。
飛鳥さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-20 23:00:49)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2021-01-04シンプル・シモン6レビュー7.40点
2020-12-31スウィート17モンスター3レビュー6.80点
2020-12-27グリーンブック8レビュー7.97点
2020-12-27家族を想うとき7レビュー6.90点
2020-12-27運び屋5レビュー6.98点
2020-12-27ひとりぼっちの青春4レビュー7.78点
2020-12-26レスラー5レビュー7.19点
2020-12-09ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド6レビュー6.88点
2020-12-09プライベート・ソルジャー<TVM>7レビュー7.94点
2020-12-09シング・ストリート 未来へのうた4レビュー7.28点
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