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《ネタバレ》 重い映画だな 40年前の映画だが時代の重さというか当時の人間性の重さと言うか、今ではまったくなじみの無いハンセン病やら、生きるという事自体が非常にディープに描かれている 生きる為に親子で旅をすると言う事自体が今ではあり得ないので非常に重い 流れる親子の背景にある当時の日本の田野やら里山が強烈に美しい 傑作小説を映画化するお手本の様な映画 複雑な組み立て方を廃して物語の流れを字幕で説明する等小説的で、映画作りとしては反則な手法でもあり、説明的な手法が嫌いな人は鼻につくだろう 物語が殺人事件を追う刑事と、成功してスポットライトを浴びる音楽家と平行して描かれていて、後半にいたるまでこの二つの話が交差する事が無いのが映画の作り方としては面白みがない ミステリーとしては、最初から犯人が誰だかはっきりわかってる作りになっていてそこは不満が残る しかし後半の一時間をほぼ解明篇として、推理小説で名探偵が最後の謎解きをするがごとく、犯人の生い立ちにまで迫った刑事の独白を、オーケストラのピアノコンチェルトに乗せてほぼセリフ無しで描くのは斬新だった 美しい日本の風景の中を親子で延々と歩き、出会った巡査のてらいの無い良い人振りが限りなく悲哀を呼ぶ エンディングも余りに直球で面白みに欠けるがしかたがないのか 宿命という重い言葉が比較的軽々しく使われていてそこも気になった 当時はまだまだ可憐な島田陽子が貧相な乳房をさらすが、芝居がどうしようもなく大根で完全に見せ損になっている
【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2015-02-05 02:25:51)
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