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《ネタバレ》 アラン・チューリングという人物も知らないし作品の情報もあまり入れずに観たが面白かった。
エニグマの解読にここまでの苦労があったとは…、そして解読するためにチューリングが作り上げたあのマシン。まるでコンピュータだと思っていたらやっぱりそれの原型だったんですな。しかし、そのマシンに「クリストファー」と初恋の人の名前をつけるのは怪奇映画みたいな話。まあ「モンスター」と言われたのは作った本人だったが。 解読に成功してもそれでめでたしとはいかない。解読した情報の取捨選択、情よりも効率や効果を優先しなければならないところがつらい。MI6が二重スパイと知りながら泳がせていたことも驚いた。戦争とは情報戦なのだ。 しかしこの映画で印象的なのは孤独だった彼が同じ目的の仲間と出会い心を通わせても、結局孤独のまま死んでいったところだろうか。同性愛者にはあまりにも生きづらい時代。戦争という時代によって功労者にもなった彼が結局時代に殺されていく。なんともやるせない。 ベネディクト・カンバーバッチやキーラ・ナイトレイの演技も良いが、マーク・ストロングの渋い雰囲気も良い。エニグマ解読と平行して学生時代や戦後の話が何度も挟みこまれるが混乱もせず良い効果を出せていたと思う。娯楽映画としても伝記映画としても秀作な一本だ。 (それにしても公開館数の少なさはどうにかならなかったのだろうか。アカデミー賞効果で増えるかと期待したが、結局地方に住んでいる自分はいつもの3倍の時間がかかる映画館へ行くハメになった。近所の映画館がアカデミー賞受賞作を一本もやる予定がないことに絶望している昨今である。) 【⑨】さん [映画館(字幕)] 8点(2015-03-15 14:42:35)(良:1票)
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