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《ネタバレ》 私事で恐縮。50年前雨で高校の野球部の午後の練習がなくなり友人たちと二本立ての映画館に行った。黒い煙幕をあけて入った画面を見た瞬間白黒からカラーに変わり、トランペットが大きく鳴り響き「パパ、きれいな煙が出てるよ」と少年が叫んだ。緊迫した場内の雰囲気で思わず立ちすくんだ。他の客に迷惑にならないようにそっと着席し訳も分からず最後まで映画を見た。そして二本目の椿三十郎を面白く見て、もういちど最初から天国と地獄を見、コロンボのように犯人が分かった状態で映画を堪能した。そして案の定、黒澤のファンになり、映画そのもののとりこになった。爾来50年、映画を趣味として、さまざまな映画を見てきましたが、邦画では天国と地獄を超えるものはないと思います。あの日あの時あの場所でピンクの煙が立ち上る名場面をあんなタイミングで見れたことは、誠に奇跡であり自分にとっては幸せな映画入門であったなあと思うのです。
【黒部の太陽】さん [映画館(邦画)] 10点(2021-01-17 16:01:53)(良:1票)
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